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2017-06-29 平成29年第2回定例会(第6日目) 名簿
2017-06-29 平成29年第2回定例会(第6日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2017-06-29
    2017-06-29 平成29年第2回定例会(第6日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    井 上 章 三 君    園 田   豊 君    大久保 博 文 君    山 田 国 治 君  一、議案第四八号から議案第五三号まで及び報告第二    号の常任委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(柴立鉄彦君)まず、一般質問であります。
     通告に従って、順次発言を許可いたします。  井上章三君に発言を許可いたします。    [井上章三君登壇](拍手) 3 ◯井上章三君 薩摩郡区選出の自民党の井上でございます。  エネルギー政策エネルギー問題というのは、私も縁がありまして、県議会に来てからもずっと一貫してこの問題を研究し、皆さんと一緒に歩ませていただきました。  私は、六年前に県議会に出馬、当選したわけでありますが、ちょうど選挙に向かって地域を回っているときに、家を訪ねて行っても誰も振り向かないと、そしてテレビにくぎづけになっている。どうしたんだろうと思って見たら、三・一一の東北大震災、そして大変な津波が襲いかかっている場面がテレビで報道されていたわけであります。びっくりしました。  原発事故の問題というのは、私にとっても、皆さんにとっても、そしてこれは東北の問題だけでなくて日本全体の、あるいは世界が驚愕しながら、この原発のシビアな問題について議論がなされてきたわけであります。  私たちの郷土の先輩、原田正純先生は、水俣病を見てしまったという、その責任から逃げるわけにいかないと、水俣病で困っている人たちを助けるという仕事に生涯をささげてこられました。私たちもこのエネルギーという大切な問題を見詰めながら、原発問題に対してどう向き合っていったらいいのか、なぜこんな危機感を感じながらいろんなことを心配しなきゃいけないのか、これは我々も探らなければいけないし、そして解決の道があるとすれば、それを追求していかなければいけないと思っているわけであります。  鹿児島県は、日本で初めて原発の再稼働を決断した県となりました。原発をベースロード電源として、これを簡単にゼロにするということはできない。それがなかった場合にはエネルギーは非常に不安定なものになり、あるいはまた再生可能エネルギーだけでやろうとすると高価なものにもなり、そして火力で代替しようとした場合には、その火力の原料を輸入するためには遠いところから原料を運んでこなきゃいけない、危険性もつきまとっているということでありまして、これも簡単ではありません。  先般、再稼働問題の渦中にあって知事選を戦い、原発を推進しようという動きと、反対の動きと、その中に立たされて大変苦しい思いをしながら当選された三反園知事におかれましては、人に言えない御苦労がたくさんあったんだろうと思っております。そしてこの問題を含めて鹿児島県政をどう引っ張っていくかという特別な使命を持って、今、立っておられるんだと思うわけであります。そういう意味で何らかの参考になればと思いながら、きょうは質問させていただく次第です。  私は、東北の大震災をきっかけに、二〇一二年第一回定例会の一般質問に立ち、今後のエネルギー問題についてという質問をさせていただきました。  現在、問題になっている原発というのは、一口に原発と言っても、これはウランを燃料として発電しているウラン原発のことでありまして、これをめぐっていろいろなせめぎ合いがあったということがだんだんわかってきたわけであります。  一九六〇年代にアメリカにおいてウラン原発が開発されました。これが取り上げられて主流になったわけでありますけれども、同じころにもう一つ、トリウム原発というのが開発されて、実験的には大成功していました。そしてこれはウラン原発と違って非常に安全性がある、シビアアクシデントに至るということはない、燃料も世界に遍在している。そして、これは核兵器につながるプルトニウムをほとんど産出しない。  ウラン原発は結局、東西冷戦の時代の中で、抑止力となる核兵器を生み出していくのに有益だということで、アメリカの政府あるいはペンタゴン、そして軍産複合体はウラン原発を推進し、そしてあるとき突然、トリウムの開発は中断させられて、お蔵入りになってしまったということでありました。  しかし、トリウムの有用性を見てしまった方々は、トリウム原発を成功させて、安全な、そしてエネルギーを心配しなくていい、そういう時代を築かなきゃいけないと、ずっと研究を続けてこられたわけであります。  そういう背景の中で、私も、資源エネルギー庁に行って、トリウム原発をどう考えているのか、今どういう状況にあるのかということを聞きに行ったことがあります。その当時はまだ政府としては、トリウムが格別ないいものであるという認識には至っておらず、時間が必要だと感じたことを覚えております。  最近になって、トリウムはどうなっているんだろうかとその関係の方々に連絡をとってみたところ、去年あたりから世界的に注目される動きになってきているということを知らされ、また資料を送っていただいたりしたところであります。  皆さんのお手元に配付させていただきましたが、次世代原子炉レース、溶融塩炉というものに今、非常に関心が高まってきている。二〇一〇年ごろから、中国は真剣にトリウムを今後のエネルギーの柱にしようと、約七百人の研究者、若手の博士号を持ったような人たちを集めて、真剣な取り組みを進めているということが報告されています。そして二〇二〇年代には、実用化できるところまで持っていきたいということでの取り組みをしているようです。  またアメリカは、溶融塩炉の開発に対して民間に金を出しながら、開発に向けて具体的な動きをしている。また、昨年の十月末に、IAEA─国際原子力機関─がトリウム問題の推進のために、世界の二十カ国のこれに取り組んでいる国々の関係者を集めて初めての会議を持った。そして今、世界の関係の人たちは情報の交換をしながら、トリウム原発によって、これからの次世代のエネルギーを確保していこうという方向に急速な動きが出てきていると伝えています。  ついこの間、六月二十一日に東京のほうで、モルテン・ソルト・リアクター─溶融塩炉─の勉強会がありました。私もできれば行きたかったんですけれども、日程が合わなかったので、資料とかビデオで見られるようにお願いして、そしてまた「溶融塩炉がもたらす技術革新と至近の世界動向」、そこらの情報を知りたいなと思って連絡をとっているところでございます。  日本においては、古川和男先生という第一人者がおられました。アメリカでトリウムの溶融塩炉は結局、開発停止という状況になったわけですけれども、その後も、熱心にいちずにこの実現に向かって研究し、仲間の方々と世界的に連絡をとりながら進めてこられた第一人者でしたが、残念ながら数年前に高齢でお亡くなりになりました。  しかし、その後も関係の方々は、その遺志を継ぎ、トリウム溶融塩炉に対して強い気持ちを持って取り組んでおられます。今回の六月二十一日の設立発起人を見ても、東大の元総長でありました有馬朗人先生等も発起人の代表を務めて取り組んでおられます。  トリウムに関しましては、中曽根内閣のころに、時のカーター大統領から、「日本は平和を愛好する、そして平和の実現のために取り組んでいる国だから、安全で平和的な原発を実現するということを目指して世界に貢献したらどうか」と言われて、その当時、国会のほうでも二階堂進先生を中心にして、百名余りの国会議員の方々がこれを推進しようという大きな動きがあったということであります。残念ながら、いろいろな経緯の中でこの動きは潰されてしまったという話でありました。  東日本大震災以降、火力発電が原子力にかわって電力をカバーしてまいりましたけれども、それがどのぐらい高くついたのか、そしてそれがいかに綱渡りしながらつないできたかということは余り知られていない面もございます。  そして、何よりも今一番の問題というのは、プルトニウムの処理の問題に対して解決ができない。これがたくさん積み上げられているんだけれども、この処理というのは、地下に埋めるにしても、これを再利用するにしてもなかなか道が見つからない。そしてこれは大変危険性のある放射能という毒性を持ったものであり、この問題の解決に最適なのがトリウムの溶融塩炉だという点で、今、急速に関心を持たれているわけであります。  トリウム熔融塩炉の研究推進に関する提案書というのが、NPO法人のトリウム熔融塩国際フォーラムから出されております。  それを少し紹介いたしますと、「現在、国内では大量の使用済み燃料が蓄積されており、また今後、原発をどの程度の割合にするかにもよるが、使用済み燃料はふえ続けると予想される。このような状況で再処理をやめれば、軽水炉の使用済み燃料の行き場がなくなり、軽水炉を停止しなければならなくなる。将来、使用済み燃料の最終処分─地下処分─も選択肢となる可能性があるが、国内では最終処分場の選定が極めて困難と言われている。一方、高速炉をやめるということは、再処理から発生するプルトニウムの行き場がなくなることになり、再処理をやめざるを得なくなる。  右記のいずれの場合も容易な選択ではない。その理由は、プルトニウムが原爆の材料であり、かつ半減期が二万年以上なので、プルトニウムを長期間、安全に保管することは日本の国土では極めて困難なためである。したがって、プルトニウムの消滅・処理の方策を検討する必要がある。  プルトニウムを消滅するには、原子炉で中性子を当てるしかない。高速増殖炉はプルトニウムを増殖させるので、さらにプルトニウム問題が拡大する。プルトニウムを減らすのにプルサーマルはほとんど役立たない。英国ではプルトニウム粉末を安定化─固形化─するとしているが、プルトニウム粉末が最も爆弾にしやすいからで、プルトニウム自体はなくならない。  プルトニウムの消滅処理に対して最も有効な代案はトリウム溶融塩炉である。溶融塩炉は、一九六〇年代に米国で実験炉が建設され、四年間の順調な運転実績を示した。これらの技術をベースに中国では二〇一一年より開発計画が進行中で、現在約六百名から七百名の研究員が、数年後に二基の実験炉を起動する計画に従事している。また、インドも中国と同様、エネルギー問題解決のためにトリウム溶融塩炉の研究を進めている。その他、欧州各国やロシアは、プルトニウムや超ウラン元素消滅の目的で、トリウム溶融塩炉の研究を進めている。  したがって、我が国も、プルトニウムや超ウラン元素消滅に対する代案として、諸外国との国際協力により、トリウム溶融塩炉の開発研究を推進すべきである。特に、トリウム溶融塩炉の開発は、原爆材料となるプルトニウムをほとんど生産しない点と、軽水炉からのプルトニウムエネルギーに変換しつつ効率よく消滅処理できる点から、核兵器廃絶という我が国の願いとも合致する。幸いにも、我が国は溶融塩炉の要素技術を全て持っており、世界的にも優位な立場にある」。  こういうことで、溶融塩炉の研究推進に対しての提案がされております。  さて、時間をかけて最近の情勢を御報告してまいりましたが、そこで伺います。  原発再稼働で先陣を切って全国の耳目を集めた鹿児島県ですが、原発推進・反対を超えて、平和的で安全なトリウム原発の実現に向けた世界的な動向に注目するべきときが来ていると思います。克服すべき課題も残っていると思いますが、今後の推移を見守る十分な必要性があると思われます。  それで、これに対する知事の現段階での所感と今後の対応について思うことがあればお聞かせいただきたいと思います。 4 ◯企画部長(東條広光君)トリウム溶融塩炉についてのお尋ねでございます。  トリウム溶融塩炉は、燃料となりますトリウムを核分裂させ、熱エネルギーを取り出す原子炉のこととされているところでございます。  国からは、トリウム溶融塩炉については、将来の原子力システムの一つとして、国際協力の枠組みの中で検討が進められ、我が国もその活動に参加しているが、現在のところ、国内では具体的な研究開発はなされていないとお聞きしている状況でございます。  今後とも、情報収集に努めてまいりたいと考えているところでございます。    [井上章三君登壇] 5 ◯井上章三君 答弁は難しいところかと思うんですが、ただ、鹿児島県はこの問題に対して、大変国内の注目を集めながら一つの決断をした、その責任もあると思います。私もこれをまた、関心のある仲間の方々と勉強会をやりたいなと、そしていろんな意見を聞きながら、この問題、世界ではいろんな動きが出てきているわけですけれども、その状況を把握しながら今後のあり方を考えてみたい。そして県の執行部あるいは九電、そしていろんな関係の方々と共有しながら、この問題を検討していければと思っております。  それでは、次のテーマに移りたいと思います。  地方創生と情報インフラの整備促進についてであります。  三月定例会の長田議員の代表質問で、情報通信政策について質問がありました。この情報インフラの整備という問題は、まさに地方創生に直結する、地方にとっては大変重要な問題であると思っております。  私は二年前、本県の地方創生総合戦略等特別委員会に所属し、行政視察で徳島県の神山町というところを訪問いたしました。  神山町は、山合いの全くの山村でありましたが、徳島県の、情報問題に対してこれを起爆剤にしたいという取り組み、創造的過疎という考え方に基づいて、徳島県が整備してきたICTインフラ環境のもと、ITベンチャー企業など十一社がサテライトオフィス等の誘致に成功して、また、町の将来に必要とされる働き手や起業家を逆指名する取り組みなどで、平成二十二年以降、五十八世帯百五名が移住し、町史上初の社会増を達成しました。神山塾という人材育成事業では、修了者七十七名のうち、移住者五〇%、サテライトオフィスへの就職者十名、カップルが九組誕生するなど、地方創生の成功モデルとして注目を集めているところであります。  成功の背景には、光ファイバー等情報インフラの整備があり、それを巧みに活用したNPO法人等が中心となるまちづくりの活動があったとのことであります。  現代はまさに情報の時代です。仕事場は都市部でなくても、超高速通信のネットワークがあれば、これを使えれば、地方でも仕事を切り開いていくことができる時代がやってきております。これを地方創生の一つの起爆剤、活性化にどこまで鹿児島県としても役立てることができるのか、これが問われると思います。  私の地元さつま町は、NTTの交換局が七つありますが、光ファイバーケーブルがつながっているのはそのうちの一局だけであります。光が一応通っている地域ということにはなっておりますけれども、大半のところはそれの恩恵を受けておりません。恵まれた田舎の環境はあっても、光ファイバーのつながっている環境に住みたい、そういうところで仕事をしたいと、若い人たちでそういうところに移っていこうという動きもあると聞いております。また、そういう中で、今まで親元でお世話になりながら住んできた人たちの中で、環境のいいところに移っていこうという動きもあると聞いております。  先般、総務委員会の有志で十島村の口永良部島に渡って、意見交換してまいりました。そのときの話でも、ある地元の方が、若者を何とか呼び寄せたい、若者をここに定住させたいんだけれども、しかし、光ファイバーなどの情報のインフラがないためになかなか難しいんだと言われておりました。  地方創生を展望するとき、第二、第三の神山町をつくるためにも、多額の投資が必要であるとは思いますが、高速通信網を整備できないだろうか、さつま町の町長もこれを真剣に考えているということでありました。  しかし、それをどうしたら、できるだけ負担を最小にして、そして大きな仕事ができるか。そこらに対しては、国はもちろんでありますけれども、県の適切な情報の開示、あるいはまた適切な連携がどうしても必要であると思います。その課題実現のために、地方と寄り添いながら、県の的確な指導と協力を期待するものであります。  そこで伺います。  本県の光ケーブル等によるWi─Fi環境整備取り組み状況についてお示しください。  そして、地方との連携をどのように進めるおつもりかお示しください。  二つ目に、三月定例会の代表質問でもありましたが、総務省による本年度から三カ年計画の観光・防災拠点施設へのWi─Fi環境の重点整備計画があるということであります。こういう機会をどのように最大限に活用して対応し、成果につなげていくおつもりであるか、これをお示しください。  次に、スポーツキャンプの誘致促進の問題であります。  二〇二〇年の第三十二回東京オリンピックの決定に続き、二〇一九年、第九回ラグビーワールドカップが日本に決定し、連続して巨大な国際スポーツの祭典が開催されることになりました。前回の両大会での日本チームのすばらしい活躍は、日本国民に大きな感動と興奮、そして誇りを与えてくれたものであります。  二〇一九年のラグビーワールドカップは、アジアで初めての大会となる、また、ラグビー伝統国以外では初の大会となる、ラグビー七人制がオリンピック種目に採用されてから最初のワールドカップである、この十年余りの間で、日本で開催されるスポーツイベントでは最大級のものとなると言われております。  二〇一五年九月にイングランドで開催された第八回ラグビーワールドカップ大会では、大変な日本選手団の活躍がありました。二十四年間ワールドカップで勝ち星のなかった日本が、過去に二度優勝している世界第三位の南アフリカ代表を三十四対三十二で劇的な逆転勝ちする大金星を上げ、さらには、サモアにも二十六対五で勝利、アメリカにも二十八対十八で勝利、スコットランドには四十五対十で敗れたものの、勝ち点十二で予選プールBの三位に輝いたのであります。五郎丸選手などのジャパンの活躍は、今思っても興奮さめやらないものがあります。  二〇一九年大会は日本で開催される、しかも全国十二会場で開催される中、九州では福岡市と熊本市と大分県で開催となっており、参加二十チームのうち十二チームは、二〇一五年の成績により日本も含むチームが既に決定しており、四十八試合が四つの予選プールと決勝トーナメントで行われるということになっております。  スポーツキャンプ地で思い出すのは、二〇〇二年の日韓共催のサッカーワールドカップでの大分県中津江村のことであります。現在は合併によって日田市となっておりますが、当時、公認キャンプ地で名乗りを上げた全国八十四カ所のうち、一番小さな自治体であり、条件は満たしているものの、一番可能性が低いと思われていたそうです。  しかし、キャンプ誘致に村を挙げて運動された結果、カメルーン共和国が中津江村をキャンプ地に選びました。これを機にキャンプ地としての中津江は一躍世界に知れ渡り、その後のカメルーンのチームとの交流も続いていると聞いております。今回のラグビーの会場として大分県が選ばれているのも、その布石が役立っているものと思われるわけであります。  九州の三会場は、鹿児島から見ても、開通した新幹線を使えばごく近いところでの大会になり、キャンプ誘致は、鹿児島市を初め、また新幹線沿線の北薩地域も含み、その可能性がないとは言えないと思います。スポーツキャンプ地として世界に鹿児島を宣伝するチャンスでもあり、世界トップレベルのチームを間近で見られる願ってもない機会でありますから、挑戦する価値は十分にあると思います。  そこで伺います。  ラグビーワールドカップ二〇一九に向けたチームキャンプ地誘致について、鹿児島での取り組み状況と可能性について。  二番目に、誘致に向けて、県と市町村との連携作業の進め方について。  三番目に考えておりました国体の問題は、同僚の議員からも質問が多々ありましたので、これは割愛させていただきます。  以上で、第二回目の質問といたします。 6 ◯企画部長(東條広光君)初めに、光ファイバー等によるWi─Fi環境整備取り組み状況などについてであります。  光ファイバーにつきましては、基礎的なインフラとして重要であり、いわゆるナショナルミニマムとして地域住民がひとしくその利便性を享受できるようにしていくことが求められております。また、Wi─Fi環境につきましては、観光や防災の観点から地域活性化等に寄与するものであり、その整備は大変重要であると認識しております。  現在、Wi─Fi環境につきましては、県庁舎や小・中学校等の公共施設のほか、観光案内所や宿泊施設など、外国人観光客の利用が多い施設を中心に整備が進んでいるところであります。  県としましては、引き続き、Wi─Fi環境とその基盤となる光ファイバー等の整備について、市町村や県観光連盟等の関係団体、民間事業者と連携しながら、通信事業者に整備を要望しますとともに、国庫補助事業を活用した整備促進にも努めてまいりたいと考えております。  次は、総務省の防災等に資するWi─Fi環境の整備計画への対応についてであります。  Wi─Fi環境の整備について、総務省は、昨年十二月に整備計画を策定し、主要な観光・防災拠点における重点整備箇所として、平成三十一年度までの自治体分の整備目標を約三万カ所とし、このうち県内では約八百カ所を整備する予定としているところであります。  県としましては、Wi─Fi設置の基盤となります光ファイバー等の整備について、県開発促進協議会等を通じて、支援策の拡充を国に対し要請しますとともに、国庫補助事業の積極的な活用を市町村へ働きかけるなど、Wi─Fi環境の早期の整備促進に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)ラグビーワールドカップ二〇一九に向けたチームキャンプ地誘致取り組み状況についてでございます。  ラグビーワールドカップ二〇一九は、平成三十一年九月二十日から十一月二日までの四十四日間、二十チームが参加してアジアで初めて開催される、四年に一度のラグビー世界一決定戦でありまして、国内十二会場、九州では福岡、大分、熊本の三会場で試合が行われる予定となっております。  この大会のキャンプ地といたしましては、大会期間中にチームが滞在する公認キャンプ地と、大会前にチームが調整やテストマッチなどを行う事前キャンプ地の二種類がございます。公認キャンプ地につきましては、大会組織委員会が候補地を選定いたしますが、事前キャンプ地につきましては、各自治体とチームとの直接交渉によりキャンプの実施が決定されることとなります。  前回二〇一五年のイングランド大会におきましては、公認チームキャンプ候補地が六十一カ所、このうち実際にキャンプが行われたのが四十一カ所となっており、一チーム当たり平均約三カ所、一カ所当たり平均約十日間のキャンプが実施されております。  公認キャンプ地につきましては、組織委員会による公募が昨年十二月に締め切られ、全国三十七都道府県から七十六件の応募がございまして、県内からは鹿児島市が応募しております。今後は、この夏ごろに候補地が選定された後、出場チームによる視察などを経て、キャンプの実施が決定される見込みとなっております。  また、事前キャンプ地につきましては、九州内の三会場で試合が行われることから、試合会場に近い都市では、試合を行うチームを含め、事前キャンプが行われる可能性があると考えております。  県といたしましては、ラグビーワールドカップの事前キャンプ誘致に取り組む市町村と意見交換、情報共有を行いながら、連携してその誘致に努めてまいります。    [井上章三君登壇] 8 ◯井上章三君 回答いただきましたが、余り具体的な話は出てこなかったなと。鹿児島市は公認キャンプ地として手を挙げているということを聞いておりますし、事前キャンプ地に対してはこれからの問題だということでありますので、もう少しいろいろな情報がわかってくれば、可能性のある地域においては頑張ってみようかというところも出てきてもいいんじゃないのかなと思っております。  そういう点で、こういう一つ一つのイベントに対して、県においてもぜひ積極的に、もう少しこういうものを活用しようという積極性を持って取り組んでいただきたいと願っているところであります。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  農業の担い手確保についてであります。  二〇一五年農林業センサスによると、本県における販売農家数は三万七千五百三十六戸で、五年前に比べ約二割減少しております。高齢者の離農が進んでいる上に、若者の就農も伸び悩み、農業の担い手減少に歯どめがかからない状況が続いております。  農業・農村は、食料の供給のみならず、農業生産活動を通じ、国土の保全、水源の涵養、良好な景観の形成などの多面的機能を有して、これらの機能を維持するためにも、農業の担い手の確保は極めて重要な課題であります。  本県にとって農業は基幹産業であり、今後とも持続的に発展させていくためには、効率的かつ安定的な経営を目指す担い手の確保・育成が必要であります。県内には、農業に企業的な経営手法を取り入れた法人も見られており、今後とも、農業経営の法人化や農業法人の経営発展に向けて取り組みを支援する必要があると考えられます。  さらに、農業・農村の人口減少が進む中、農業法人が経営面積の拡大を図るためには、労力不足が懸念されます。また、報道によると、昨年九月には鹿児島銀行が農業法人を設立するなど、企業等による農業参入の取り組みも見られてきているところであります。  そこで伺います。  第一点は、担い手確保・育成の現状と今後の取り組みについて。  二点は、本県における農業法人化の現状と農業法人育成に向けた取り組みについて。  三点は、農業法人の労力不足の現状認識と今後の取り組みについて。  四点は、企業等の農業参入の現状と課題、県としての支援策についてお示しいただきたいと思います。  以上で、三回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 9 ◯知事(三反園 訓君)農業経営の法人化の現状等についてであります。
     農業経営の法人化は、対外信用力や経営の継続性の向上が期待されるなど、農業がより魅力ある職業として認識されることにつながり、農業の担い手の確保にもつながると考えております。  このため、県では、認定農業者などを対象とする法人化研修や経営管理指導のための専門家派遣などを行っておりまして、また、農業に意欲のある企業に対しましては、営農計画の作成等を学ぶ農業参入塾の開催などに取り組んでおります。  法人設立後は、県農業法人協会とも連携し、技術面・経営面の指導、規模拡大に向けた支援などを行っておりまして、これらの取り組みにより、平成二十七年度末で九州最多の一千二百四十六法人となっております。  さらに、今年度は、法人経営者等を対象に、経営管理や人材の確保・育成などのマネジメント力を養う、かごしま農業経営塾を開催することとしております。  県といたしましては、今後とも、農業経営の法人化や経営の多角化などを支援してまいりたいと考えております。 10 ◯農政部長(川野敏彦君)農業の担い手確保・育成の現状と今後の取り組みについてでございます。  平成二十七年度における認定農業者等の担い手数は一万五百十経営体でございまして、本県農業を支える担い手として、今後とも一万経営体を確保していくこととしております。  このため、県では、農業次世代人材投資資金、昨年度までは青年就農給付金と呼んでいたものでございますが、この資金を活用した新規就農者の確保・定着、他産業並みの所得を目指す認定農業者の育成、集落営農の組織化・法人化の促進、農業経営の法人化などに取り組んでおります。  県としては、今後とも、関係機関・団体と一体となってこれらの取り組みを展開し、本県農業を支える担い手の確保・育成に努めてまいります。  次に、農業法人の労働力不足に対する認識等についてでございます。  本県における平成二十九年四月の農林漁業の有効求人倍率は一・九六倍で、県全体の求人倍率より〇・八一ポイント高くなっております。また、県内の農業法人からは、求人を出しても人が集まらないといった声や、外国人技能実習生を活用している農業法人も多数見られるなど、農業法人の労働力不足は大きな課題と考えております。  このような状況を踏まえ、県では近く、県内の農業法人約一千二百法人を対象に、従業員数や募集・採用の状況、外国人技能実習生の受け入れ状況などを内容とする実態調査を実施することとしております。  県といたしましては、この実態調査の結果を踏まえ、例えば露地野菜、お茶、肉用牛など、農業法人の経営形態に応じたモデル事例を取りまとめるなど、労働力確保に向けた支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、企業等の農業参入の現状と課題等についてでございます。  本県においては、農業参入している企業等は年々増加傾向にあり、平成二十八年十二月末現在で百九十六社で、業種別には建設業が最も多く、次いで食品関連業などとなっております。企業等の農業参入に当たりましては、農地の確保、農業技術の習得、販路の確保などが課題となっております。  このため、県では、相談窓口の設置や農業参入塾の開催などにより、参入に際しての支援制度の情報提供や基礎的な農業技術の習得などを支援しているところでございます。また、企業等農業参入相談員を設置し、農地のあっせん等を行う市町村と企業との橋渡しを行いますほか、普及指導員による技術・経営の現場指導、遊休農地の再生の支援などを行っております。  県といたしましては、農業参入した企業等を新たな地域農業の担い手として位置づけ、今後とも支援してまいりたいと考えております。    [井上章三君登壇] 11 ◯井上章三君 御回答いただきました。  地方における人口の減少、それが農業を初め、地域に与える影響というのは非常に顕著なものがあり、案じられております。そういう点で、法人化に向けては、私もかつて一生懸命取り組んだ時期もありますし、また、企業等の農業参入の問題などもどう進むかなと思っているところでございます。  しかし、絶対的な人口がこれだけ減ってくると、日本社会の中で果たしてどこまで成り立っていくんだろうかと。今、企業において、農業ではありませんが、外国人の労働者あるいはいろんな人材を活用する動きもございますけれども、農業という分野においてはそういう道というのはどうなんだろうかと。  かつてアメリカとかブラジルとか、日本からも出かけていった時期がございます。我が同僚の瀬戸口議員もアメリカで一定期間、農業の研修に行ったという話をされて、その経験が今、生きておられるんだと思うんですが、また逆に、日本に農業の研修に来て、そしていろんなものを身につけて、母国の振興のために努力していく、そういう国際的な連携、共生・協働というようなものが広がっていくのも一つの道になってくるのではないだろうかと、検討の時期が来るんじゃないだろうかという感じもするわけでございます。  いずれにしろ、農村の今まで築いてきたそういう営みを今後どのようにして継続させていくかということに対して、これからもぜひまた担当課を初めとして、県と市町村、よく連携しながら取り組んでいきたいものだと思っております。  さて、筋書きのないような質問をしてまいりましたけれども、来年が明治維新百五十周年だということがよく言われます。鹿児島にとっては一つの大きな節目、日本にとっても一つの節目を迎えるわけでありますが、我々の先輩、先人たちは、その時期に非常に開明的な志を持ち、そして進取の気性、先見の明を持って時代を見据えながら、この国の行く末に対して非常に大きな働きをされたということであります。  我々も今、そういう大きな時期を迎える中において、これは国がやることだと、あるいは誰かがやることだというのでなくして、鹿児島として、これからの日本を考えるときにどう取り組んでいくべきか。原発の問題は、まさに我々にとっては切実な問題であり、立地の市の理解がないと進まない、県の理解がないと進まないという中で、原発の立地の問題、あるいは再稼働に至る問題、そして今後の問題、地元がどう考えるのか、どう理解するのかということは絶えず問題になってくるわけであります。  そういう点において、我々は自分たちの問題としてこういう問題の研究を始める、そして自分たちは何かできること、これからの時代のために、次世代のためにやれることはないのかという意味において、大いに勉強もし、また力を合わせて一つの時代をつくっていく努力をしていくべきではないでしょうか。  以上、私の今回の質問を終了いたしました。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) 12 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、園田豊君に発言を許可いたします。    [園田 豊君登壇](拍手) 13 ◯園田 豊君 皆様、お疲れさまでございます。  私は、平成二十九年第二回県議会定例会におきまして、一般質問を行ってまいります。今回の一般質問は、七項目について質問いたしますが、県民や地域が思っていることや今後取り組んでいただきたいことについて質問いたしますので、知事並びに関係部長の明確で、県民が夢と希望を持てる答弁を、よろしくお願いいたします。  それでは、一点目の県旗等の掲揚についてお伺いいたします。  本日も、県議会議員や傍聴席側からの正面に国旗と県旗が設置されております。知事を初めとする県職員執行部の皆様方の胸の記章は、シンボルマークをつけておられます。また、本日も県庁玄関前には、国旗、県旗、シンボルマーク旗が掲揚されております。私も議員になって三期目、いつも思っていることの一つに、どれが県旗であるのか、素朴な疑問を持っております。  議場に設置してある県旗は、昭和四十二年に制定され、薩摩半島と大隅半島を円形に図案化し、県の象徴とされる桜島を中央に赤い丸であらわしてあります。  この県旗、県章のデザインに対しては、本土のみで離島が含まれていないことに対する意見等もあったと聞いております。その後、平成六年にシンボルマークが制定され、一本化すべきとの意見もあったことも聞き及んでいるところでございます。  今後、来年の明治維新百五十周年や平成三十二年の鹿児島国体等、県旗の掲揚や使用する行事・場面等が多く予想されます。  ちなみに、先日の西高議員の質問でもありましたが、国旗日の丸を初めて揚げたのは、安政二年、薩摩の艦船昇平丸が日の丸を掲げて江戸湊に回航するに当たり、その役を果たしたとされるのが、南さつま市秋目浦の宮内平蔵氏であったと言われております。薩摩の先人が旗の掲揚の偉業をなし得たと思います。  私は、昔から旗のもとに集うという言葉がありますが、一つのことをなし遂げるのに、さまざまな旗はいろんな意味を持っていると思います。このようなことを踏まえまして、県旗の掲揚のあるべき姿について、四点お伺いいたします。  まず一点目は、県旗、県章とシンボルマークの使い方の違いについてお示しいただきたいと思います。  二点目は、県有施設の県旗・シンボルマーク旗の掲揚状況についてお示しください。  三点目に、県旗、県章とシンボルマークの今後の利用のあり方についてお示しいただきたいと思います。  四点目に、県内各市町村の県旗とシンボルマーク旗の掲揚の状況についてお示しください。  次に、県職員獣医師の確保対策についてお伺いいたします。  現在、国においては、獣医学部の新設に向けた問題で協議がなされておりますが、本県の獣医師の確保は、今後の畜産業の健全な発展、動物の保健衛生の向上、食品衛生の向上を図る上からも、県職員獣医師確保は積極的に進めていかなければならない課題であると認識いたしております。  本県は、黒毛和牛や豚の飼養頭数が全国一位、ブロイラーが二位、採卵鶏が三位と全国有数の畜産県であり、畜産は、本県の農業産出額の六割以上を占めるなど、地域の産業を支える重要な産業であります。  このような中、本県の畜産を支える獣医師は、畜産物の安定供給と畜産の発展に大きく貢献いたしております。特に、県職員獣医師は、畜産農家への飼養衛生管理基準の指導、口蹄疫や鳥インフルエンザ、豚流行性下痢─PED─の発生防止や、万が一発生した場合には、市町村や農協等と連携し、発生農場への対応や蔓延防止を図るとともに、食肉の安全性の検査など、本県の畜産業の振興を図る上で重要な役割を担っておりますが、先月の新聞報道によりますと、「牛、豚等の家畜よりも犬、猫等のペットに携わる仕事につきたいという学生が多く、また、平成二十八年度は都道府県の約七割が獣医師の募集定員を確保できず、本県においても、十四人の募集に対して八人の採用となった」と報道されておりますが、まず一点目として、本県職員獣医師の確保対策と確保状況についてお示しいただきたいと思います。  二点目に、私はこれまで、民間の獣医師を含め、県の獣医師等との意見交換に参加し、獣医師確保に向けた課題や問題、処遇について話をしてまいりました。獣医師の皆さんは家畜の医師であり、医者としての技能向上や処遇改善を実施していくことは、誇りを持って仕事をしていく上で重要であり、日本一の畜産県として優秀な県職員獣医師を確保するための課題であると考えますが、そこでお伺いします。県職員獣医師の処遇改善の現状と今後の取り組みについてお示しください。  三点目に、県内には家畜保健衛生所並びに支所が九施設ありますが、七施設は昭和三十年代から四十年代に整備され、私も何カ所かの家畜保健衛生所を訪問しましたが、かなり老朽化している現状にあります。また、一部の家畜保健衛生所は周辺が宅地化され、周辺環境への配慮からも移転整備する必要があると感じております。  県の重要な産業である畜産業の防疫対策や、獣医師がやりがいのある仕事をし、畜産業の振興につながる施設整備は必要であると考えますが、そこで三点目として、家畜保健衛生所の施設の現状と、今後の施設の移転整備についてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。  次に、三点目として、かごしまブランドについてお伺いいたします。  本県では、安心・安全で品質のよい農畜産物を安定的に出荷できる競争力の強い産地づくりと県産農産物のイメージアップを図るため、平成元年にかごしまブランドの制度がつくられました。これまで、加世田のかぼちゃを平成三年五月に指定して以来、現在、十九品目延べ二十五の産地が、かごしまブランド産地として指定を受けています。  また、かごしまブランド確立をするため産地づくりとして、新たなブランド産地の育成、県域でのブランド化の推進、既存ブランド産地への支援等の産地づくりや、鹿児島を前面に打ち出した販売の戦略など消費宣伝対策活動が実施されてきています。  かごしまブランド産地の要件は、定時・定量・定質、安心・安全と全ての要件を満たしていることが基本であります。しかし、産地では、生産者の高齢化や担い手不足等が進み、今回は再指定を受けた加世田のかぼちゃも、かごしまブランドの定量の基準を満たすのに大変であったと聞いております。  かごしまブランドを今後、消費者の皆様や市場等から信頼される品質のよい県産品を出荷し、産地づくりを推進していくことは、本県農業の大きな課題でもあると思っております。  このような状況を踏まえ、三点についてお伺いいたします。  まず一点目は、かごしまブランドの現状と、今の産地の状況を踏まえた上でのかごしまブランドの課題をどのように捉えているのか、お伺いいたします。  二点目は、加世田のかぼちゃのように、定量の基準を満たせない産地が今後も出てくると予想され、現在の指定基準要件の検討等を含めて、ブランド産地に対してどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。  三点目に、私は平成二十三年九月議会におきまして、伝統野菜の取り組みについて一般質問いたしました。  現在、本県においては、二十三品目のかごしまの伝統野菜を選定いたしております。選定品目には、テレビ番組等でよく目にいたします、県外の消費者も知っている桜島だいこんや安納いも、はやとうり等があり、かごしまのブランド的野菜であると認知されていると私は思っております。しかし、先ほど申しました要件等で、かごしまブランドには指定されていません。  現在、全国的に京野菜や加賀野菜など希少性のあるものが着目されています。本県の代表的な特産品でもある芋焼酎にしましてもそうであると思います。希少性のあるものに対しては、多くの消費者は購買力があり、現状ではブランド化し、プレミアム商品としてその価値がついております。伝統野菜は、現かごしまブランドの制度では、希少性は対象外であり、今後、希少性で価値のあるものの取り扱いについても検討する必要があるのではないかと思いますが、県としての考え方をお伺いいたします。  次に、四点目の雇用対策についてお伺いいたします。  私は、雇用対策については、三反園知事就任後の昨年の九月議会においても質問いたしました。また、本定例会の代表質問においても、有効求人倍率の状況や、求人と求職のミスマッチの解消への取り組み等の質疑がなされました。  最近の雇用情勢は、有効求人倍率は高い状況で推移していますが、中小企業を初め県内企業からは、職種によっては求人を出しても人が採用できないなどの声が聞かれ、地域によっても、人口減少等で人手不足等の雇用に関する問題が生じています。  また、若い人との話の中では、自分のつきたい仕事がない、企業との意見交換では、人が来ないといった、求人と求職のミスマッチの状況が多く見られる県内の現状であると認識いたしております。  現在、本県で事業活動していく上での大きな課題・問題として、雇用の確保は急務な対策を図っていかなければならない状況であります。国も、働き方改革実現会議を設置し、県議会でも、中小企業・小規模企業の振興に関するかごしま県民条例を制定し、知事もマニフェストにおいて、「若者や女性がいきいきと仕事ができる社会を目指します」と公約なさっておられます。  私は、県民が生き生きと仕事ができる雇用対策を各市町村や関係団体と取り組んでいく中で、雇用対策の一つとして、提言でもございますけれども、県内企業が必要な資格を持った人材を確保するため、市町村や地域振興局の窓口や担当部署で有資格者や技術を持った方々などの人材を受け付けて、企業がその人材に見合った条件を提示するような仕組みはできないものかといつも考えております。  今後、県内経済が持続的に発展し、地域が活性化するためには、若い方々等の県内定着、県内企業における人材確保が不可欠であると考えております。  人手不足が深刻化する中、県においては、市町村や関係機関と連携しながら、新規学卒者の県内就職促進、UIターンによる人材確保、県外から戻ってきた方々への技術習得の支援など、県内企業が必要な人材を確保できるよう、さまざまな施策を講じる必要があると思っております。  このようなことを踏まえまして、三点についてお伺いいたします。  まず一点目は、県内企業の雇用状況と課題、並びに各市町村や関係団体等と連携した県内就職促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。  二点目は、これまでも実施されてきた就職面接会等を含めた、UIターンでの本県の就職希望者に対する就業について、今後、就職希望者や企業のニーズを踏まえながらの就業対策についてお伺いいたします。  三点目は、県立高等技術専門校の技術取得に向けた人材育成についてであります。  この件につきましても、平成二十七年十二月議会において質問いたしております。  現在、建設業や製造業等、人手不足は大きな問題であります。高校の工業系学科の新設は厳しい現状の中で、時代が求め企業から必要とされる人材や、一旦県外に就職して、数年して地元に帰鹿したふるさと出身者等の人材の技術・資格取得に向けた、県立高等技術専門校等の訓練課程の新設を検討し、雇用対策、人材育成に取り組む考えはないかについてお伺いいたします。 14 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)県旗、県章とシンボルマーク旗の利用のあり方についてのお尋ねでございます。  県旗は、この議場正面に掲揚してございますが、県章を中央に配したものでございます。本県の象徴として、歴史や伝統を特に重視する場合、例えばこの県議会議場でありますとか、国民体育大会などの際に掲揚してございます。  一方、シンボルマーク旗につきましては、本県の魅力あるイメージを県内外に効果的に印象づけるとともに、本県のイメージアップの先導的な役割を担うものとして、本県を対外的にアピールする場面に幅広く使用しておるところでございます。  県有施設における県旗とシンボルマーク旗の掲揚状況につきましては、本庁舎及び各地域振興局・支庁におきましては県旗とシンボルマーク旗の両方を、県の主な公共施設等におきましてはシンボルマーク旗を掲揚してございます。市町村につきましては、県旗及びシンボルマーク旗の活用について、特にこれまで依頼したことはないところでございます。  本県では、今後、明治維新百五十周年や奄美の世界自然遺産登録、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会など、鹿児島をPRする絶好の機会を迎えることになります。これらの機会や市町村主催の各種イベントの際など、シンボルマーク旗を積極的に活用し、本県を対外的にアピールしていただけるよう市町村に働きかけてまいります。 15 ◯農政部長(川野敏彦君)県職員獣医師の確保対策に関しまして、まず、現在の確保対策と処遇改善についてでございます。  県職員獣医師の確保対策については、平成二十年度に取りまとめた、獣医師確保に向けた取り組みの基本的な考え方に基づき、平成二十一年度から、受験年齢制限の引き上げや、採用試験の複数回実施など試験方法の見直し、獣医師確保対策修学資金の貸与、全国獣医系大学への訪問による本県への勧誘など、さまざまな取り組みを進めております。これらの取り組みにより、これまで受験者数や採用人員の確保について一定の成果は得られているところでございます。  獣医師の処遇改善については、獣医師確保の観点から、平成二十一年度から、初任給調整手当の支給や職員立案による国内外での研修制度の導入などに取り組んでおり、さらに平成二十八年度からは、同手当の支給期間の延長を行ったところです。  県としては、今後とも、これまでの対策を継続するとともに、他の畜産県の獣医師確保に向けた取り組み事例等も参考にしながら、さまざまな観点から検討し、獣医師の確保に努めてまいりたいと考えております。  家畜保健衛生所の施設整備についてでございます。  家畜保健衛生所は、昭和四十年代前半までに整備され、約五十年以上が経過し、施設の老朽化や周辺の宅地化などが進んできたことから、平成十三年度には鹿児島中央家畜保健衛生所、平成二十一年度には肝属家畜保健衛生所の移転整備を行ったところです。  また、他の家畜保健衛生所については、これまで、無煙・無臭焼却炉への更新や隣接地との障壁の設置など、計画的な施設・設備の維持補修等を行い、伝染病の的確な診断など、家畜保健衛生所としての機能が確保できるよう努めてきているところでございます。  県としては、今後とも、県の財政状況なども踏まえながら、家畜保健衛生所の移転整備について検討してまいりたいと考えております。  次に、かごしまブランドに関しまして、まず、かごしまブランド産地の現状と課題についてでございます。  かごしまブランド確立運動では、安心・安全で品質のよい農畜産物を計画的・安定的に供給できる産地づくりと、県産農畜産物のイメージアップによる販路拡大を一体として取り組んでおり、今年度、かごしま地鶏を新たに指定するなど、これまでに十九品目二十五産地をかごしまブランド産地として指定しております。  平成元年度に運動を開始して以降、三十年近い取り組みの成果もあり、市場関係者などからは一定の評価を得ており、加世田のかぼちゃや沖永良部のばれいしょなどの市場平均単価は、他産地と比較して二割程度有利な価格で取引されております。  一方で、かごしまブランド産地に限らず、県内農業従事者の減少、高齢化の進展に伴い、生産量が減少している産地もあることや、さらに消費者への認知度を高めることが中長期的な課題であると考えております。  かごしまブランドの指定基準の見直しについてでございます。  かごしまブランド産地の指定基準については、平成十六年度から、かごしまの農林水産物認証の取得を義務づけたほか、平成十九年度からは共販額について、運動開始当初は例えば野菜では一律五億円としていたものを、品目ごとに共販額を設定する方法に改めるなど、適宜見直しを行ってきております。  販売量の基準については、実需者側からは、ブランド推進本部の会議の席などでも、消費者ニーズに安定的に応えるためには一定程度の量を確保することが重要であるといった意見が出されており、見直しする際にはこれらの意見を十分に踏まえる必要があると考えております。  県としては、生産量が減少しているブランド産地に対しては、産地と一体となって、単収向上に向けた技術指導や新規栽培者の確保・育成などに取り組むこととしております。一方で、市場や流通環境など、かごしまブランドを取り巻く環境が変化しておりますことから、県では本年度、生産者や流通・販売関係者等の意見、他県における取り組み等を参考にしながら、県産農畜産物のブランド力をさらに高めるための検討を行うこととしております。  御指摘のございました、希少性があり、市場や消費者から一定の評価を得られているといった品目の取り扱いなどにつきましても、幅広く検討の対象としたいと考えております。 16 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)県内企業の雇用状況と課題並びに県内就職促進についてでございます。  本県の有効求人倍率は、平成二十九年四月末時点で一・一五倍となっておりまして、過去最高を記録しており、十二カ月連続で一倍台となり、高水準で推移しておりますが、一方で、人手不足感が高まり、職業によりばらつきが生じている状況にございます。  このため、国は、企業に対する雇用環境の改善指導を行っておりますほか、県内十四の市町にそれぞれに設置されておりますハローワークで、的確な職業相談や紹介を実施しているところでございます。また、県では、インターンシップなどのキャリア教育や民間教育訓練機関に委託して行います職業訓練を実施いたしております。  さらに、県内企業への就職を促進するためには、新規学卒者等において、県内企業の魅力について理解を深めていただく必要がありますことから、今年度新たに、高校等に対する県内企業の魅力説明会を開催いたしましたほか、来月には、高校、大学等の学生等の保護者向けの県内企業説明会の開催を予定しているところでもございます。
     県といたしましては、今後とも、国、関係機関と連携を図りながら、県内企業の人材確保が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、Uターン・Iターンの就業対策についてでございます。  県では、県内企業の人材確保を図る観点から、UIターンの就業対策についても取り組むこととしており、平成十八年度以降、本庁及び東京・大阪の県外事務所にふるさと人材相談室を設置し、県内各市町村等から提供された情報などもあわせ活用しながら、個別の相談や職業紹介に対応しておりまして、これまで約五百七十名の方々に職業紹介等を行い、約百九十名の方々の就職が決定しているところでございます。  また、UIターン希望者等の県内就職促進に資するため、例年、帰省時期に当たります八月にUIターンフェア“かごしま”を開催しておりまして、昨年度は、UIターン希望者のうち十六名の方々の就職が決定しているところでございます。  さらに、都市圏等から本県への即戦力となる人材の確保の促進を図りますために、かごしま産業支援センターに県プロフェッショナル人材戦略拠点を設置いたしまして、地域金融機関や民間人材紹介会社と連携を図りながら、県内において求人相談会等にも取り組んでいるところでございます。  今後とも、UIターン希望者の県内企業への就職に向けた取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、県立高等技術専門校等の技術取得に向けた人材育成対策についてでございます。  県立高等技術専門校四校におきましては、職業能力の開発等を図りますために、ものづくり分野を中心に、本県産業の人材・ニーズ等を踏まえ、学卒者を対象に八科目、離転職者を対象に一科目の職業訓練を行っております。また、離転職者を対象に効果的かつ弾力的な職業訓練を実施するために、民間教育訓練機関を活用した委託訓練も実施しているところでございます。  本県の職業訓練のあり方につきましては、昨年十月に策定いたしました第十次県職業能力開発計画におきまして、今後、成長や雇用吸収が見込まれる分野を中心とした職業訓練に取り組むとともに、産業構造の変化や労働力需給の動向を絶えず把握することとされております。  県といたしましては、この計画に基づきつつ、さらに、職業訓練の新たなニーズへの対応に当たっては、今後、訓練施設整備や指導者の確保等の課題もあることなどから、民間教育訓練機関を活用した委託訓練や在職者を対象とした認定職業訓練校における訓練など、現在の取り組みも含めたさまざまな手法の活用も検討してまいりたいと考えております。 17 ◯園田 豊君 議長、自席から。  ただいま県旗の掲揚について、シンボルマークの現状、また県旗の使用状況、今後のあり方ということで御答弁いただいたわけですが、そこでお伺いしたいと思いますけれども、県の教育委員会、教育長へお伺いいたしますが、教育委員会が所管いたします県立高校などの県旗の状況と、また、シンボルマークについてでありますけれども、私が学生時代は、同級生などが県のマークをつけて国体とかインターハイに出場するのは本当に憧れでありました。こうやって全国へ飛んで行き、そして鹿児島県の代表として出場する選手を見て、うらやましい限りでありましたけれども、そのシンボルマークのあり方についてもお示しいただきたいと思います。  また、鹿児島県警におきましては、警察旗の利用につきましては、鹿児島県警察旗の制式及び取扱いに関する訓令、内部規則があります。県教委においては、学校現場などにおいて、県旗並びにシンボルマークに関する取り決め、規則というものがあるものかについても重ねてお伺いいたします。  それと、先ほど御答弁いただいたわけですけれども、今後、明治維新百五十周年、そしてまた奄美の遺産登録、国体などいろいろあると思います。各市町村もその会場になっており、各市町村については今後、県旗の掲揚を進めてまいりたいというような趣旨の御答弁がありましたけれども、そこでお伺いいたしますが、県旗、シンボルマーク旗を各市町村が持っているのか持っていないのか。この辺は確認しないと。大体のところはポールが三本立っております。多くは、国旗、そして市旗、大会旗とかありますけど、なければ二本、二枚立っているような状況で、せっかく一本はあるのに、県旗でも掲揚したらいいのになと思う行事が多々ありますけれども、県旗を各市町村に支給するぐらいの対応策は考えられないか、御答弁いただきたいと思います。 18 ◯教育長(古川仲二君)県旗及びシンボルマークについて再度のお尋ねでございますが、教育委員会におきましては、県旗及びシンボルマークの取り扱いについて、県警のお話がございましたけれども、同様な取り扱い訓令というものは定めていないところでございます。  それと、教育委員会所管の施設におきますシンボルマークあるいは県旗の取り扱いについてでございますが、ほとんどの県立学校、それと教育機関等におきまして、掲揚台に毎朝、毎日といいますか、シンボルマーク旗を掲げておるところでございます。  そして一方、県立高校六十一校ございますが、その六十一校中、入学式とか卒業式とかあるいは創立記念日といったような、おっしゃるような式典等において県旗を掲揚している高校は、六十一校のうち三校でございます。残る五十八校については、シンボルマーク旗をそういう式典においても掲げているという状況でございます。  今後の取り扱いといたしましては、県旗またはシンボルマーク旗の掲揚につきましては、各学校の状況に応じた対応をすることにいたしておるところでございますが、県教委といたしましては、県旗及びシンボルマークの制定の趣旨あるいは図柄の意味等につきましては、郷土教育という観点に立っても、これを児童生徒にしっかりと伝えていくことは大切なことだと思っております。 19 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)県旗及びシンボルマーク旗の市町村の活用状況でございますが、調査いたしました結果、保有そして使用は両方とも極めて限定的でございました。御指摘のように、明治維新百五十周年、そして国体等もございますので、本県をアピールする絶好のチャンスでございます。  先ほど答弁もいたしましたように、いろんな機会に市町村のほうにもシンボルマーク旗を掲揚していただきたいと、対外的に鹿児島をアピールするという趣旨からすれば、シンボルマーク旗が適当かと思いますので、これから活用について働きかけてまいりたいと思っておりますが、現在考えておりますのが、貸し出しするとか入手できるところを紹介して差し上げるとか、そういった対応をとろうかと考えておるところでございます。    [園田 豊君登壇] 20 ◯園田 豊君 それぞれ御答弁いただきました。  県旗の掲揚につきましては、先ほども申し上げましたが、国体などに出場する県代表の選手たちは、県の旗を先頭に、ふるさと鹿児島を代表して強い思いを持って参加いたしております。今後、県民が愛着と誇りを持ち、本県のイメージアップにつながる県旗掲揚のあるべき姿を要望いたします。  各市町村にも、イベントや行事等を開催する場合は県旗等の掲揚への対応も進めてほしいと思います。  県職員獣医師についてでありますが、本県の畜産業の振興を図る上で重要な役割を担っておりますので、早急に改善できる問題や処遇については対応を強く要望いたします。  かごしまブランドのあり方については、消費者や市場が何を求めているのか、産地の現状はどうなのか、時の状況に応じた対策を要望いたします。また、伝統野菜のブランド化の取り組みについても、プレミアムのつく野菜として県でも検討していただきたいと思います。  雇用対策におきましては、今回は県立高等技術専門校のあり方について質問いたしましたが、県立農業大学校においても、農業土木等への新しい農業分野の人材育成等も検討すべき課題であると申し上げまして、引き続き質問いたします。  次に、海岸漂着物についてお伺いいたします。  本県の海岸線延長は、北海道、長崎県に次いで全国第三位で、県内三十九市町村が海岸を有しております。近年、国内外から海岸に大量のごみ等が漂着し、生態系を含む海岸の環境の悪化、美しい浜辺の喪失、海岸機能の低下、漁業への影響等の被害が生じてきております。  海岸漂着物等については、これまでも、国や県、各市町村、地域住民、非営利組織その他民間団体等によってさまざまな取り組みがなされてきております。しかし、処理できない海岸漂着物等が県内各地の海岸に流れ着いて、海岸を有する地域にとっては深刻な問題になっております。  私の住んでおります南さつま市では、皆様御承知のとおり、ごみとは違うクジラが平成十四年一月に十四頭、本年三月には六頭、年度ごとに数頭ずつ座礁いたしております。その対応処理等は大変な労力であります。また、昨年九月には、台風十六号の襲来によって大量の流木が垂水港等に漂着し、その処理と対応は地域にとって大きな影響がございました。さらには、県内各地においても、海岸漂着物の処理対応は市町村においても大きな課題の一つでもございます。  このような状況の中、法においては、美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂着物等の処理等の推進に関する法律や海岸漂着物処理推進法、また、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によって、海岸管理者等である県並びに各市町村の役割とその取り扱いが述べられております。  また、県においては平成二十四年に、海岸の良好な景観や環境の保全を図っていくとして、鹿児島県海岸漂着物対策推進地域計画が作成されております。  このように、法律並びに本県の計画がありますが、実効性のある対応とスピード感を持った処理対策を図ることは、県にとって大きな責務であると思います。  県民は誰しも、我がふるさと鹿児島の海がきれいで、誰からも愛される海岸線であってほしいと願っております。しかし、地域によっては、海岸清掃等を実施したくても、高齢化が進み清掃活動できないという地域もあります。  このような状況の中、海岸管理者でもある県として、今後どのような対応を図っていくのか、五点についてお伺いいたします。  まず一点目は、海岸漂着物に対して、県の担当部署の認識と役割についてお示しください。  二点目は、県内の海岸漂着物の現状と今後の処理対策についてお示しください。  三点目は、海岸漂着物等の処理責任と、各市町村、関係団体、県民の役割分担と協力体制についてお示しください。  四点目に、国の海岸漂着物処理等の考え方並びに県としてそれに対する対応についてお示しください。  五点目に、梅雨、台風等の災害時、並びにクジラ座礁や船の座礁等の回収処理困難物への県としての対応についてお示しください。  次に、南薩地区の道路網の整備について、三点お伺いいたします。  私は、これまで毎年一般質問で、南薩地区の道路整備について、県としての計画や取り組み等について質問いたしてまいりました。  南薩の交通状況は、本年三月の南薩縦貫道の全線開通により大きく変わりつつあると思っております。また、今回の全線開通により、日々縦貫道の利用者が増加傾向にあると感じております。これまで以上に地域間の交流や生活圏の拡大、さらには観光を初めとする産業の振興等、この縦貫道は、時代の流れに合った大きな効果があると確信いたしております。  それに伴い、私が毎日走行いたしております県道鹿児島加世田線は、南薩縦貫道と合流し鹿児島市に通じておりますが、交通量が特に朝夕は増加している現状を身をもって感じております。  このような開通後の交通状況を踏まえ、今後の対策として、南薩縦貫道錫山付近から指宿スカイラインの山田インターチェンジまで延伸し、接続する新設道路の整備に向けた考えはないかお伺いいたします。この件につきましては、平成二十五年六月議会において質問いたしておりますが、再度、南薩縦貫道開通後の現状に応じた県としての見解をお伺いいたします。  二点目として、国道二百二十六号の県管理区間の整備に向けた取り組みについてお伺いいたします。  国道二百二十六号の県管理区間は、南さつま市から薩摩半島の西側の海岸線を通り、枕崎市、南九州市を経て指宿市に至る道路であります。本路線は、南薩の産業振興や地域の安心・安全のためにも必要な路線であります。  しかし、本路線のうち、南さつま市区域内の道路はまだ未整備区間が多々あり、毎年、梅雨時期や台風による大雨等で土砂崩壊を繰り返し、通行どめ等により日常生活に不便を強いられている現状で、ことしも災害等の発生が起きないように願うところであります。  現在、県においては改良工事が年度ごとに進められておりますが、地域にとっては一日も早く全線が改良され、安心・安全な国道の整備を望む声が強くあります。  このようなことを踏まえて、今後、国道二百二十六号のうち県管理区間で進められている事業中箇所の整備状況並びに計画と、整備に向けた財源確保についてお示しいただきたいと思います。  三点目に、薩摩半島横断道路の整備に向けた取り組みについてお伺いいたします。  私は、薩摩半島横断道路の整備についてはこれまでも何回も質問いたしております。前回の県当局の答弁は、「薩摩半島を横断する道路構想を含めた南薩地域における道路網のあり方については、南薩縦貫道完成後の交通状況等を踏まえ、関係自治体などと連携を図りながら検討していきたい」というものでありました。  本年三月に南薩縦貫道路が全線開通し、今後、南薩縦貫道や指宿スカイラインも利用した横断道路のあり方を早期に検討する必要があると考えます。  地域においては、南薩四市長・議長で構成する南薩地区総合開発期成会や、商工会議所や各種団体などが中心となった薩摩半島横断道路建設促進協議会も早期整備に向けた要望活動を実施しているところであります。今後、県や国もこれまで以上に、地域の現状と横断道路の必要性等の整備に向けた取り組みが加速される状況にあると想定いたしております。  このような状況を踏まえて、南薩地域のさらなる発展のために、薩摩半島横断道路の整備促進に向けた取り組みが必要であると考えますが、整備に向けた県の考え方をお伺いいたします。  最後に、難視聴地域対策についてお伺いいたします。  現在、私どもが生活する中で、テレビの視聴はなくてはならないものの一つであります。テレビ放送によりさまざまな情報を得て、暮らしに役立てている現状であります。特に本県においては、台風や梅雨時期の大雨等の災害を未然に防ぐための天気予報等は、テレビの情報に頼らなければならない部分が多々あります。  現在、テレビ放送は、平成二十三年七月にアナログ放送が終了し、デジタル放送に移行しました。しかし、デジタル放送は、アナログ放送の十分の一の電波出力であり、山間地等の電波の弱い地域では、アナログ放送は辛うじて受信できていても、デジタルになると受信できなくなる、新たな難視地区が発生いたしております。  これまでの対策として、受信側並びに送信側の対策等が実施されて、総務省においては、地デジ難視対策等は平成二十七年三月に完了したと発表されておりますが、地域によっては、気象条件の変化や電波障害を起こすような施設の状況等によって、地上デジタル放送を受信できない地域もあるとの県民の声があります。  また、地上デジタル放送を受信するために、地域によっては共聴施設を設置し、テレビの受信を行っている地域も県内には多い現状であります。しかし、台風等の災害によって、共聴施設の故障や配線の切断等が起きた場合は、地域の共聴組合等がその対応をしなければならない現状にあります。特に、高齢化が進む過疎地域等では大きな支出であり、その対応に苦慮している状況であり、今後、各市町村と連携してその対応を図っていくことは課題であると思います。  以上のことを踏まえまして、二点についてお伺いいたします。  一点目は、県内の難視聴地域の現状とその対策についてお示しください。  次に、災害時等における共聴施設等への対応について、県としての対応をお伺いいたします。    [知事三反園 訓君登壇] 21 ◯知事(三反園 訓君)薩摩半島を横断する道路構想についてであります。  本道路構想につきましては、地元の建設促進協議会などの方々から御要望いただいております。ことし五月にも、本道路を望む熱い思いを直接承ったところであります。  南薩地域におきましては、ことし三月に南薩縦貫道が全線開通したところであります。縦貫道の周辺の整備も必要であります。現在、南薩縦貫道にアクセスする県道霜出川辺線の高田工区、薩摩半島西岸を縦断する国道二百七十号の宮崎バイパス、薩摩半島を循環する国道二百二十六号の笠沙道路や唐仁原拡幅、さらに本年度からは久志拡幅に新規着手するなど、鋭意整備を進めているところでもあります。  薩摩半島の道路整備につきましては、現在多くの事業を進めているところであり、これらをさらに着実に進めてまいるとともに、南薩地域の観光振興、地域の活性化につながるよう、道路網も含めて全力で取り組んでまいります。 22 ◯環境林務部長(古薗宏明君)海岸漂着物対策について一括して答弁申し上げます。  まず、海岸漂着物に対する県の担当部署の認識と役割についてであります。  いわゆる海岸漂着物処理推進法は、海岸における良好な景観及び環境を保全するため、海岸漂着物の円滑な処理及び発生の抑制を図ることを目的としておりますことから、国におきましては、環境省、国土交通省、農林水産省及び外務省の共管となっておりまして、県におきましては、環境行政を所管する環境林務部、海岸管理を所管する土木部、農政部及び商工労働水産部が、同法や県海岸漂着物対策推進地域計画に基づきまして、それぞれの立場で主体的に対応することといたしております。  海岸漂着物の現状と今後の処理対策についてであります。  県内の海岸漂着物の現状につきまして、その総量を把握することは困難でありますが、海岸管理者や市町村が実施しております海岸漂着物等地域対策推進事業における過去三年間の回収量は、平成二十六年度が二千六百四十九トン、平成二十七年度が一千六百九十六トン、平成二十八年度が二千三百二十八トンとなっております。  海岸漂着物の今後の処理対策につきましては、海岸漂着物処理推進法におきまして、海岸管理者等は、海岸漂着物等の処理のため必要な措置を講じなければならないとされておりますことから、海岸管理者が中心となって対応すべきものでありますが、一方で、民間団体等の多様な主体がそれぞれの立場から積極的に取り組みを進めるとともに、各主体が相互に情報を共有しつつ、連携・協力することも求められているものと考えております。  海岸漂着物等の処理責任と各市町村、関係団体、県民の役割分担と協力体制についてであります。  県海岸漂着物対策推進地域計画におきまして、海岸漂着物等の処理の責任につきましては、一義的には海岸管理者にあることや、市町村は、必要に応じ海岸管理者に協力することなどを明記しております。  民間団体等につきましては、その重要な役割に鑑みまして、海岸漂着物等の処理や発生抑制において、みずから主体となって活動を行うことや、普及啓発、環境教育等への参画が期待されること、県民につきましては、日常生活に伴って生じるごみ等の発生抑制や、ごみなどを投棄しないなど、マナー、モラルを徹底することを記載しております。  また、同計画には、関係者の連携・協働に関する事項も盛り込んでおりまして、海岸管理者等、国、県、市町村は相互に連携し、海岸漂着物対策の推進を図ることや、県及び市町村は、民間団体等が地域で行っている清掃活動などに関する情報を収集・整理し、情報提供することなどにより、民間団体等を支援することを記載しております。  国の海岸漂着物処理等の考え方と県としての対応についてであります。  国は、海岸漂着物処理等に関しまして、海岸漂着物処理推進法に基づき、平成二十二年三月に閣議決定された、海岸漂着物対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針におきまして、海岸漂着物等の円滑な処理とその発生抑制を施策の両輪として講ずること、関係者の相互協力が可能な体制づくりや、民間団体等との連携、協力、支援を通じて、多様な主体の適切な役割分担と連携の確保を図ることなどを対策の柱とし、施策を展開していくことが必要である旨の考え方を示しております。  また、同法におきまして、都道府県は、必要があると認めるときは、国の方針に基づき計画を作成するものとされておりますことから、県でも、県海岸漂着物対策推進地域計画を作成し、海岸管理者等や県、市町村、事業者、県民が役割分担等しながら、海岸漂着物対策に取り組むことといたしております。  災害時や回収処理困難物への県としての対応についてであります。  災害時の海岸漂着物や回収・処理困難物につきましても、他の海岸漂着物と同様に、海岸漂着物処理推進法に基づき、海岸管理者等は、処理のため必要な措置を講じなければならないものであります。  県といたしましては、災害時等に異常な事態が生ずることも想定し、県計画におきまして、洪水、台風等により海岸に漂着した流木及びごみなどが大量に堆積し、海岸保全施設の機能や生活環境の保全を阻害する場合に備え、海岸管理者等及び県、関係市町村が協働して、一体的かつ効率的に処理できるように連絡体制を整えること、回収・処理困難物への対応について、海岸管理者等は、個別の事案に応じて、県及び市町村の水産部局、海上保安本部などと連携しながら、船舶を利用した海岸漂着物等の搬出など、処理困難物の効果的な処理方法等を検討することとしているところであります。 23 ◯土木部長(渡邊 茂君)錫山から山田インターを結ぶ新設道路についてでございます。  南薩縦貫道は、鹿児島市と枕崎市を結ぶ地域高規格道路であり、このうち鹿児島市錫山から山田インター間については、県道鹿児島加世田線及び指宿有料道路が整備済みであることから、現道を利用することとしています。  本縦貫道については、ことし三月に知覧金山水車インターから南九州知覧インター間を供用開始し、これにより全線が開通したところです。  現在、国道二百二十六号の笠沙道路や国道二百七十号の宮崎バイパス、県道阿多川辺線の花瀬二工区などの改良工事等を進めており、南薩地域全体の道路ネットワークの着実な整備に取り組んでいるところです。  御提案の錫山から山田インターを結ぶ新設道路については、県としては、事業中箇所の早期の整備に努めたいと考えております。  続きまして、国道二百二十六号の整備状況と今後の見通しについてでございます。  国道二百二十六号については、南さつま市の笠沙道路、唐仁原拡幅、久志地区などにおいて整備を進めております。  笠沙道路については、計画延長五・四キロメートルのうち、これまでに約四キロメートルの整備を終え、現在、残る区間の改良工事や橋梁工事を進めており、本年度は、延長五百十七メートルの笠沙トンネルに着手することとしています。  唐仁原拡幅については、計画延長四百五十メートルのうち、昨年度、約百四十メートルの工事に着手しており、現在、残る区間の用地買収を進めています。  久志地区については、幅員狭小で線形が悪い約二キロメートルの区間について、本年度から久志拡幅として新規に事業着手し、測量設計を進めることとしております。  県といたしましては、今後とも、必要な予算を確保するとともに、地元の方々の御理解と御協力をいただきながら、早期整備に努めてまいります。 24 ◯企画部長(東條広光君)難視聴地域解消対策についてであります。  まず、県内の難視聴地域の現状とその対策についてであります。  地上デジタル放送への完全移行に伴い、地理的な条件などにより発生した新たな難視聴地域については、国や放送事業者が長年にわたって解消に取り組み、その対策事業は平成二十六年度末で終了したところでございますが、一方で、地域においては受信障害、いわゆるデジタル混信と呼ばれるものが発生していると聞いているところでございます。  こうした地域については、総務省が設置しますテレビ混信対策センターと、各県の放送事業者で構成される地上デジタル放送技術連絡会が協力し、デジタル混信を解消・防止するための対策に関する相談対応や支援、調査などを行っております。
     県としては、できるだけ早期にデジタル混信の解消が図られるよう、国、放送事業者等と連携しながら対応してまいりたいと考えております。  次は、被災した共聴施設等への対応についてであります。  地上デジタル放送への移行に伴う難視聴対策として設置されました共聴施設等につきましては、補修費や維持管理費等について、共聴組合の組合員が支払う利用料により賄われているところであります。共聴組合には、組合員の減少や高齢化が進んでいて、補修費や維持管理費等の負担が大きいとの声があることはお聞きしております。  県としましては、共聴施設等の維持管理に係る支援制度の創設など必要な措置を講じるよう、県開発促進協議会等を通じて、引き続き国へ要請してまいります。 25 ◯園田 豊君 再質問させていただきますけれども、知事も南薩の出身でございますので、指宿そしてまた枕崎、南九州、南さつま、横断道路の必要性というのは十分わかっていらっしゃいますから、きょうは一歩踏み込んだ御答弁をいただけるのではないかなと思って期待いたしておりましたけれども、次回にその期待を持ち越したいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  私どもの南さつまにおきましては、高速道路がない、JRがない、港湾がない、空港がない、ないない尽くしでありますけれども、昨年からことしにかけて五つの立地協定を行っております。その中でもよく言われるのが、やはり交通網の整備という観点でありますので、十分わかっていただきたいと思います。  さらには、渡邊部長は今回、四月に赴任されて来ていらっしゃいますから、まだなかなか南薩の道路網の状況というのは把握できない部分もあると思いますので、御案内いたしますので、ぜひ南薩にも来ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  そこで質問でありますけれども、先ほど環境林務部長から答弁がありましたけれども、私が申し上げているのは、いつのときも、海岸漂着物が漂着して、そのときにまず、どの部署が主たる役割を担って対応していくのかというのが、いつのときであっても問題になり、一日おくれ、二日おくれ、三日おくれていくんです。そのことによりまして被害が拡大する。早急に対応できる対策というのもあると思います。その辺についても、主たる役割はどこが担うのかということをお伺いします。  それと、きょうは危機管理局長もいらっしゃいますので、今回も屋久島沖に白い粉が漂流していて、たまたまそれは漁船がとったということでありますけれども、垂水港においても、垂水フェリーが三日間運休しなければならなかったということから、危機管理という観点からもこの漂着物についての御見解をお伺いします。 26 ◯環境林務部長(古薗宏明君)主たる役割をどこが担うのかという御質問ですけれども、少なくとも処理に関し、どこが主たる責任を負うかということになりますと、先ほどから申し上げておりますように、海岸漂着物については海岸管理者が処理の責任を負うということになっておりますので、それぞれ県、市町村いろいろありますけれども、県管理海岸であれば土木部があり、あるいは農政部があり、商工労働水産部があり、あるいは市町村が管理すべき海岸であれば市町村が責任を負うと、これが一義的な責任の所在であります。 27 ◯危機管理局長(田崎寛二君)昨年の垂水港等の流木等についての御質問がございましたが、漂流木、漂着木につきましては、県の漂流木等対応マニュアルがございまして、それに基づきまして、海面の漂流木は危機管理局が、海岸等への漂着木は当該海岸等の管理担当部局が、相互に連携しつつ回収することとなっておりまして、昨年の台風十六号による錦江湾内の漂流木についても、このマニュアルを使って対応したところでございます。    [園田 豊君登壇] 28 ◯園田 豊君 ランプを気にしながらお話申し上げたいと思います。  これまで九月議会、十二月議会、三月議会、今回の議会と、私、知事のほうへ質問いたしてまいりましたけれども、基本は県民のために質疑したということを十分おわかりいただきたいと思います。  それと、最後に申し上げたいのは、私、先日、友人と会いましたときに言われた言葉の中に、「身はアゲハのチョウに変われども、毛虫の昔を忘れずに、誰しもが初心に返って頑張っていくように」と叱咤激励を受けましたので、今後もまた本会議場、また県政の中で、議会とそしてまた執行部の立場を十分踏まえながら、県勢発展のために質問いたしていくということを申し上げまして、一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 29 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後 零時 一分休憩       ────────────        午後 一時十五分再開 30 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  大久保博文君に発言を許可いたします。    [大久保博文君登壇](拍手) 31 ◯大久保博文君 鹿屋市・垂水市区選出の大久保博文です。  質問に先立ちまして申し上げます。  六月九日に、天皇の退位等に関する皇室典範特例法が成立いたしました。天皇の退位等について立法府対応に関する衆参議長・副議長による議論の取りまとめや国会での議論を拝見して、改めて、天皇を初め皇室は、日本の国柄、歴史の連なりの中心に存在するものであることを感じました。  さて、政府は六月九日、経済財政運営と改革の基本方針二〇一七、いわゆる骨太の方針二〇一七を閣議決定いたしました。人材への投資を通じた生産性の向上に取り組み、我が国が直面する少子高齢化や人口減少など、中長期的な課題の克服を目指す内容となっています。  またあわせて、日本再興戦略を未来投資戦略二〇一七に名称を改め、ソサエティ五・〇を世界に先駆けて実現する改革を掲げました。ソサエティ五・〇とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く人類史上五番目の社会のことで、サイバー空間の積極的な利活用を通して新しい価値やサービスを創造し、豊かさをもたらすことを目指しています。  日本経済に確かな成長をもたらす取り組みとなることを期待するところであります。  それでは、通告に従って、以下質問してまいります。  まず、財政についてであります。  平成二十九年度地方財政収支見通しについての質問であります。  骨太の方針を見れば、平成三十二年度の基礎的財政収支の黒字化を目指す方針は維持され、引き続き、地方自治体にも行財政改革を迫る内容となっています。  そのような状況の中、平成二十九年度の本県当初予算における県税収入につきましては、総額で〇・九%減の千四百三十八億三百万円を計上しています。どのような理由で本県の県税収入は減少すると見込んでいるのか、伺います。  地方財政収支見通しの歳出を見れば、地方の裁量権が比較的広くある一般行政経費の単独分は、〇・一%減となっていますが、今後大きく削減されるようなことがあれば、本県の財政上どのような影響があるのか、伺います。  地方の裁量権のある歳出枠を増加させることが望ましいと考えますけれども、来年度以降の地方財政のあり方について、国にどのように要望するか、県の姿勢を伺います。  続きまして、行財政改革推進プロジェクトチームに関する質問であります。  骨太の方針を見れば、歳入改革、資産・債務の圧縮の観点から、税外収入の安定的確保、債務の償還、追加的に発生する歳出への備え等のために、地方が有する各種資産の有効活用、不要な資産の売却等を推進するとあります。  県では、厳しい財政状況に対する認識の共有と、それを踏まえた行財政改革の着実な推進について検討することを目的に、行財政改革推進プロジェクトチームを設置しています。検討内容の中に、新たな歳入確保策として、未利用財産の積極的な売却の検討及び一時貸し付け等が掲げてあります。  私は、災害時の避難所及び瓦れき・ごみ置き場などのスペース確保、畜産防疫上のためのスペース確保に鑑みれば、それなりに遊休地は必要なこともあるのではないかと考えます。  数年前、宮崎県で口蹄疫が発生したときに、殺処分した大量の家畜を埋却するスペース確保に大変な苦労があったことは、記憶に新しいところであります。本県では、口蹄疫の発生は未然に防いだものの、万が一の発生に備えて、公有地を中心に埋却スペースの確保を図る自治体もありました。  資産の処分に当たっては、そのような配慮が必要と考えますが、県の考えを伺います。  また、資産売却における入札資格について伺います。  続きまして、県民所得についての質問に入ります。  まず、経済成長についての考え方を伺います。  先ほど申し上げました未来投資戦略には、地域経済好循環システムの構築が掲げてあり、本県経済に資する取り組みがなされることを期待するものであります。  知事も今定例会提案理由において、「魅力ある本県の素材を最大限に生かして県内経済の回復に努める」と述べています。また、かねてより県民所得向上を意識していると思います。  国では、経済成長を実現するために、GDP─国内総生産─六百兆円の実現を目指して、各種施策が展開されています。GDPを増加させるためには、個人消費をふやすか、法人投資をふやすか、輸出をふやすか、輸入を減らすか、公共事業をふやすかが必要であります。それ以外にはGDPはふえません。日本企業が外国に工場を建てて外国の現地人を雇用しても、我が国のGDPには寄与いたしません。安いものが買えるからといって輸入がふえても、GDPは減少いたします。現下の社会経済情勢を見れば、私は、アベノミクスの方向性は正しいと考えます。特に、機動的財政出動はGDP増加に資する有効な政策であります。  私は、県においても、域内総生産の増加を図ることを意識した政策が必要と思います。しかしながら、国と異なり、通貨発行権を持たず、地方財政制度の制約が地方自治体に存在し、国よりも厳しい財政規律が求められていることは理解しています。したがいまして、予算は限られていますので、国の政策、知見、財源を生かしながら、効率的に域内総生産につながる予算のあり方が望まれると思います。  現在、平成二十六年度の一人当たり県民所得は、本県は全国で四十三位でした。  そこで、県民所得向上への県の基本的な考えを伺います。  続きまして、県民所得の偏在についてであります。  平成二十六年度の鹿児島県の人口一人当たり市町村民所得の所得水準分布を見れば、県内七地域のうち、南薩、大隅、熊毛地域には県内市町村の平均以上の市町村が存在いたしません。  この地域格差についてどのような認識を持っているのか、伺います。  続きまして、大隅地域の所得の向上についてであります。  大隅地域の強みは第一次産業であります。大規模畑かん施設を備えた、水をコントロールできる広大な農地を抱え、畜産業、林業、水産業等、第一次産業の盛んな地域であります。  一方、域内総生産拡大のためには、高速交通網、高速通信インフラの整備が欠かせません。しかしながら、大隅地域には、新幹線は当然のこと、鉄道網もほとんどありません。東九州自動車道は鹿屋市まで開通しましたが、アクセス道路を含め、高規格道路や大隅地域内外を接続する道路網の整備もこれからであります。光ファイバー網の整備もこれからで、国策であるソサエティ五・〇への対応が十分できない環境で、企業の高速大容量通信ニーズにも応えられず、企業誘致にも支障が生じている状況であります。  地域の発展は、第一義的には、基礎的自治体である各市町村の取り組みによって、インフラ整備や経済政策などは行われるべきであります。しかしながら、基礎的自治体の役割にも限界があります。そこで、大隅地域の強み、弱みに配慮した地域への支援が県に求められています。  そこで、大隅地域の所得向上のためどのような配慮を考えるか、質問いたします。    [知事三反園 訓君登壇] 32 ◯知事(三反園 訓君)大隅地域の所得向上についてであります。  大隅地域は、農畜産業では、東串良・志布志のピーマンなどがかごしまブランドに指定されているほか、収益を含め、農業の先進地帯であります。頑張っている方がたくさんおります。また、日本有数の畜産地帯でもあります。また、水産業においても、養殖ブリ・カンパチやウナギなど、本県でも有数の生産量を誇っております。こうしたことから、これらの豊富な農林水産物の販売促進や輸出拡大、ブランド力の向上を図ってまいります。  また、新たな観光拠点として整備を進めてきた佐多岬を初め、かのやばら園、宇宙空間観測所など、魅力あふれる観光資源を生かした観光地づくりや、グリーンツーリズム等の体験型観光、有明高校跡地に整備を進めております大隅陸上競技トレーニング拠点施設や県根占自転車競技場など、スポーツ合宿の拠点施設等を活用した合宿誘致など、大隅地域の観光振興に取り組んでいるところであります。  さらに、東九州自動車道や都城志布志道路、大隅縦貫道の整備を推進するとともに、九州で唯一、国際バルク戦略港湾に選定されております志布志港の機能充実を図るなど、交通ネットワークの形成も進めているところでありまして、これらの整備により、農業や観光の振興など地域経済を活性化させるものと考えております。  県といたしましては、今後とも、これらの取り組みを推進いたしまして大隅地域の振興を図ることにより、同地域の一人当たりの市町村民所得が向上するよう全力を挙げて取り組んでまいります。 33 ◯総務部長(寺田雅一君)本県の財政に関する御質問のうち、本県の県税収入の減収要因についてでございます。  平成二十九年度の県税収入につきましては、本県経済の動向や平成二十八年度の県税収入の状況、地方財政計画における税収見込み等を勘案して見積もったところであり、平成二十八年度の当初予算に対し、約十三億円の減収を見込んだところでございます。  これは、法人二税が約二十一億円の増収となる一方、地方消費税につきましては、輸入取引に係る貨物割の大幅な減少等が見られた平成二十八年度の収入状況や地方財政計画の見込み等から、約二十二億円の減収が見込まれること、また、個人県民税につきましては、各種所得控除額の増加や近年の株価変動の影響から、配当割、株式等譲渡所得割の大幅な減収等により、約二十一億円の減収が見込まれることが主な要因でございます。  平成二十九年度の国の地方財政収支見通しに関連して、一般行政経費の単独分及び国への要望についてでございます。  地方財政計画におきましては、一般行政経費の地方単独事業は、住民の安心・安全の確保に貢献するきめ細かな単独事業の実施などに要する経費として計上されており、それぞれの地方公共団体が、住民のニーズに基づき効果的・効率的な事業を選択するものとして、国が個々の経費を特定して積み上げる方式ではなく、枠として計上されているところでございます。  今後、国が財政健全化を進める中で、仮に、地方単独事業が大きく削減されることなどにより、必要な一般財源の全国の総額が確保されないようなことになれば、地方交付税は法令に定められた算式に基づいて算定されるものでありますことから、本県も含め、全国の地方公共団体の財政に厳しい影響を及ぼすことが懸念されます。  このようなことから、県といたしましては、増大する社会保障関係経費や地方の実情に即した地域活性化の取り組みに要する経費など、地方単独事業を含めた、地方における必要な歳出を適切に地方財政計画に反映した上で、安定的な財政運営に必要な地方一般財源の全国総額の確保を図る必要があると考えており、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、引き続き、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。  続きまして、行財政改革に関連いたしまして、災害時や畜産防疫のためのスペース確保に配慮した資産処分についてでございます。  未利用財産の活用につきましては、平成二十年度に策定した県有財産有効活用方策の基本的な考え方を踏まえ、全庁的に利活用について検討を行った上で、県として今後の利活用が見込まれないものについては、売却することとしているところでございます。  県有財産の管理につきましては、毎年度、副知事を会長とする県有財産管理運営委員会を開催し、関係部局間で情報の共有化や連携の強化に努めているところであり、お話をいただきました災害時における臨時的な活用なども考慮しつつ、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。  資産売却における入札参加資格についてでございます。  未利用財産の売却に当たりましては、原則として一般競争入札により行うこととしておりますが、入札に当たりましては、地方自治法等に基づき、成年被後見人など契約を締結する能力を有しない者や、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者などを除き、原則として入札に参加できることとしているところでございます。 34 ◯企画部長(東條広光君)県民所得についてのお尋ねのうち、まず、県民所得向上への基本的な考え方についてであります。  県民所得は、県民雇用者報酬や財産所得、企業所得を合計したものであり、県の経済全体の所得水準をあらわすものであります。これを向上させていくためには、県内各地域の産業の振興を図り、域内総生産を向上させる取り組みが重要であると認識しております。  県としては、魅力ある本県の素材を最大限に生かして、県産品のブランド力向上や農林水産物の輸出拡大、国内外からの誘客促進などに取り組むとともに、次の世代の基幹産業を担う企業立地の促進などにより、県民所得が向上するよう取り組んでまいりたいと考えております。  次は、地域格差に対する認識についてであります。  平成二十六年度の一人当たり市町村民所得については、県人口の約四割を占めている鹿児島市が突出して高い状況にあり、同市以外では、県平均より高い市町村は五つしかない状況となっております。一人当たり所得を地域振興局・支庁の区域ごとに見てみますと、鹿児島地域が二百六十二万五千円で最も高く、熊毛地域が二百六万円で最も低くなっております。  各地域ごとの一人当たり所得に差が生じるのは、それぞれの地域で産業構造や就業構造などが異なることによるものと考えております。    [大久保博文君登壇] 35 ◯大久保博文君 答弁いただいたことに関しまして申し上げます。  まず、財政についてであります。  骨太方針二〇一七には、これまでの基礎的財政収支─プライマリーバランス─の黒字化に加え、新たに、本文に「同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指す」とあり、経済財政運営において、経済成長に配慮して、政府のプライマリーバランス黒字化優先のこだわりが弱まる表現となりました。さりげない表現でございますが、経済財政運営の大転換につながる兆しのある文章ではないかと私は受けとめているところであります。  昨年度、国の税収が七年ぶりに前年割れし、一月から三月期名目GDPの成長率が下方修正され、GDPデフレーターもマイナスとなっており、これらの経済情勢の悪さから、これまでの経済財政運営を転換しなければならない、そのような理由があったからではないかと推測するところであります。  私は、昨年第二回定例会において、政府のプライマリーバランス黒字化へのこだわりが弱まる希望を申し上げ、ようやくその兆しが出てきたと感じております。一日も早く、より一層、経済成長に大きく配慮した財政規律が閣議決定なされることを期待するところであります。  県におきましても、景気に配慮した地方財政となるよう、積極的に国に対し要望されることを期待申し上げます。  また、県民所得につきまして、先ほど大隅地域につきましては、知事みずから、大隅地域の地の利、産業の特徴を挙げていただきまして、いろんな形でしっかりと大隅地域に向き合っていただいている姿勢を伺ったところであります。  今後とも、地域ごとの特色を生かしながら、県民所得の偏在格差縮小につながる景気対策に取り組まれていかれることを期待いたします。  それでは、農業農村整備事業についての質問に入ります。  近年、公共事業費全体が伸び悩む中、国の農業農村整備予算は、平成二十五年度以降少しずつ増加し、平成二十八年度第二次補正予算と平成二十九年度当初予算を合わせて、平成二十一年度の水準まで回復してきています。また、未来投資戦略にも、攻めの農林水産業の展開として、生産現場の強化を図るため、「土地改良事業については、農地の大区画化や汎用化・畑地化の実施を強化する。また、土地改良法の改正による圃場整備事業と農地中間管理機構の連携強化を受け、担い手が使いやすい農地の整備と集積・集約化をあわせて推進する」とあります。  一方、アメリカのTPP脱退の動きにより、総合的なTPP関連政策大綱を実現するために位置づけられている農業農村整備事業の予算への影響も気になるところであります。  昨年の台風十六号の襲来など、自然状況が厳しい本県において、営農を推進していくためには、圃場整備、高生産性農業の実現のための大規模畑かん事業、農道整備、農業用水路整備などの基盤整備等、農地の防災減災対策や土地改良施設の長寿命化対策などが欠かせません。これらの事業を計画的に進めていくには、安定した予算が確保される必要があります。  そこで、今年度の農業農村整備事業の当初予算に対する国からの内示状況をお示しください。その上で、県としてこの状況をどう捉え、今後どのように対処していくか、伺います。  中山間地農業ルネッサンス事業において、農業農村関連整備事業はどのように位置づけられているか。また、本県の中山間地域における農業農村整備事業のあり方をどう考えるか、伺います。  先般、改正土地改良法が成立し、農地中間管理機構が借り入れている農地について、農業者からの申請によらず、農業者の費用負担や同意を求めずに基盤整備事業を実施できる制度が創設されましたが、県としてどのように評価するか。また、今後どのように農業農村整備事業を進めていくのか、伺います。
     水産業についての質問であります。  まず、カンパチ及びブリの人工種苗の取り組み状況についてであります。  四月二十八日水産庁が発表した、新たな水産基本計画では、我が国周辺の豊かな水産資源を持続可能な形でフル活用を図るとともに、国民に対する水産物の安定的な供給と漁村地域の維持発展に向けて、産業としての生産性の向上と所得の増大による成長産業化、その前提となる資源管理の高度化等を図るため、総合的かつ計画的に講ずべき施策を示しています。  また、未来投資戦略にも、「漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関係法律の見直しを含め、検討を行う」とあります。  そのような中、本県有数の特産物である養殖カンパチ及び養殖ブリは、本県水産業の成長の鍵を握ると思います。これらの人工種苗の取り組みは、養殖カンパチ及び養殖ブリの将来をつくる大事な取り組みであると認識しております。  まず、カンパチの人工種苗の取り組みについて伺います。  カンパチの人工種苗導入は、寄生虫のアニサキス対策、将来の安定した種苗確保、計画的な養殖生産、海上作業の効率化、生産コストの削減、品質の統一化につながるものであり、本県養殖業の発展に必要不可欠なものと考えられます。  しかしながら、その思いとは裏腹に、養殖業者、県、人工種苗を生産する豊かな海づくり協会の皆さんの懸命な思いとは逆に、当初予見できなかったさまざまな課題に直面し、多くの損害が養殖業者に発生したところであります。  卵から成魚に成長させて資金回収を図るといったサイクルが確立されていない状況では、養殖業者のカンパチ人工種苗への信頼を回復することは難しいと思われます。新たな対応を検討する時期にあるのではないかと考えます。  そこで、これまでのカンパチの人工種苗の供給実績及び課題について伺います。  また、課題解決に向けた取り組みについて伺います。  次に、ブリの人工種苗の取り組みについてであります。  ブリの人工種苗導入に当たっては、養殖親魚の開発、卵のふ化、稚魚の中間育成、病気対策、稚魚の成育期間、餌、品質の均一化など、検討しなければならない課題も多いと思います。  そこで、ブリ種苗生産施設の整備状況、ブリ種苗生産技術移転の取り組み状況及び人工種苗導入のメリットについて伺います。  養殖における新技術導入についての質問であります。  カンパチ及びブリの人工種苗事業においては、優良な種苗の安定供給、高い種苗育成技術などを実現することが求められています。そのためには、国立研究開発法人水産研究・教育機構が有する先進的な技術・知見を導入して、事業の改善に生かすことが有効と考えられます。  そこで、同機構が中心となって行っている人工種苗カンパチの養殖に関する技術開発の概要と、この知見をどのように生かすか、質問いたします。  公共事業についての質問であります。  まず、予算確保についてでありますが、公共事業は、県の経済再生、地域経済活性化、社会資本の整備、地域社会の担い手の輩出、防災、県土強靱化に資するなどさまざまな効用があります。また、新たな社会資本整備だけでなく、既存の社会資本の維持・管理、更新も十分でなく、待ったなしの状況であります。これらの実現のためには、予算の確保が重要であると考えます。  しかしながら、国においては、公共事業関係費は、当初予算ベースですけれども、平成九年度のピーク時以降、基本的には減少を続け、現在、ピーク時と比較した場合には約四割低い水準となっています。同様に、県においても、平成十六年度から普通建設事業費の水準は約三割減少している状況です。  平成二十九年度予算の基本方針にも、「ストック効果の高い公共投資により経済成長を図り、経済再生と財政健全化の双方を実現するため、必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保する」とあり、公共投資にストック効果を求める傾向が最近強くなっていることも、大都市に比べ、地方都市にとって予算確保を厳しくしているのではないかと考えられます。  土木部では、当初予算の執行に当たり、国からの財源が十分確保されず、事業実施に苦労されている現状も伺っています。  そこで、平成二十九年度公共事業の当初予算に対する国からの内示状況をお示しください。その上で、県としてこの状況をどう捉え、今後どのように対処していくか、伺います。  続きまして、寿大通線についての質問であります。  鹿屋市の中心部に位置する都市計画道路寿大通線の鹿屋警察署寿交番から国道二百六十九号までの約六百六十メートル区間については、地域住民から早期改良の要望があるにもかかわらず、事業化が進まなかった地点であります。  しかしながら、今年度から予算化され、地元の町内会、経済界及び通り会関係者を中心に組織された寿大通線北部地区整備促進協議会が発足するなど、この事業に対する期待と関心が地元で大変高まっています。  長年の地元の悲願であり、地域の交通網の整備、安全確保、活性化につながる取り組みとして、寿大通線事業開始は評価できるところであります。  また、本路線と国道二百六十九号との交差点についても、地元の要望、交通の利便性、関係機関との協議など、検討すべきこともあると伺っています。  そこで、今年度から予算化された理由、そして本路線と国道二百六十九号との交差点の検討状況について伺います。 36 ◯農政部長(川野敏彦君)農業農村整備事業に関しまして、まず、本年度予算の内示状況等についてでございます。  平成二十九年度の農業農村整備事業予算は、当初予算額二百二十五億円に対して、現時点までの国からの内示は、予算額の七九%に当たる百七十八億円となっております。これは、昨年度と比べ、内示率で約三ポイント、金額では七億円上回っているところです。  県では、大規模畑地かんがいの整備や農業の競争力強化を図るための基盤整備などを重点事業と位置づけており、事業効果の早期発現により農業所得の向上が図られるよう、所要の予算の安定的な確保が必要であると考えております。  今後とも、県開発促進協議会などあらゆる機会を通じ、国に対し、農業農村整備事業に必要な予算の確保について強く要請してまいります。  次に、中山間地農業ルネッサンス事業での農業農村整備関係事業の位置づけについてでございます。  中山間地は、傾斜地など農業生産条件が厳しい状況に置かれておりますことから、中山間地農業ルネッサンス事業において、農業農村整備関係事業は、農地や農業施設など生産条件の改善を通じて、地域の特色を生かした農業の展開を図る中核的な事業として位置づけられております。また、中山間地では、豊かな自然や景観など地域のさまざまな資源を生かし、創意工夫を凝らした取り組みにより、地域としての所得向上を図ることが期待されているところです。  県としては、農業農村整備関係事業を活用し、中山間地におけるきめ細かな農業基盤の整備を進め、中山間地農業の振興に努めてまいります。  次に、改正土地改良法に対する評価等についてでございます。  担い手への農地集積が進められている中にあって、基盤整備が十分に行われていない農地については、農地中間管理機構が借り入れても、貸し付けが進まないことが懸念されております。今回の法改正は、農地中間管理機構が借り入れている農地について、県が、所有者等の費用負担や同意を求めずに基盤整備事業を実施できる制度を創設するものであり、今後の担い手への農地の集積・集約化に寄与するものと期待しており、その積極的な活用に努めたいと考えております。  現在、国において、公共性と公益性の観点から、農地中間管理機構が借り入れた農地で一定規模以上の面的まとまりがあることや、新事業の実施により地域の収益性が相当程度向上することなど、具体的な要件についての検討がなされております。  県としては、国の検討状況の情報収集に努めるとともに、地域の実情も踏まえた実効性のある制度となるよう、県開発促進協議会等を通じて要望することとしております。 37 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)水産業についてのお尋ねでございます。  まず、カンパチ人工種苗の取り組み状況についてでございます。  本県のカンパチ養殖におきましては、必要な種苗のほとんどを中国産天然種苗に頼っている状況にございますが、近年、これらの種苗価格が上昇傾向にあることや安定供給に不安があることなどから、国産の人工種苗に対する重要性が高まっているところでございます。  そのため、県では、カンパチの人工種苗生産を平成二十三年度から開始いたしまして、昨年度までに約百六十万尾を供給してきたところではございますが、天然種苗と比較いたしまして、病気に弱く生残率が低い、成長が遅いなどの課題が依然として残されているところでございます。  その解決に向け、県におきましては、これまで、主に人工種苗生産技術の改善による優良な種苗づくりに取り組んでまいりましたが、今後は、県水産技術開発センターが実施しております、優良な人工種苗を親魚に育てていく選抜育種に取り組みますとともに、高度な技術を有する国立研究開発法人水産研究・教育機構の協力を得ながら、養殖に適した系統づくりをさらに進めていくことといたしております。  また、カンパチの人工種苗に係る新技術開発に向けた取り組みにつきましては、現在、この国立研究開発法人水産研究・教育機構におきまして、カンパチの遺伝子情報を活用した病気に強い人工種苗の生産や、魚粉の少ない飼料でも成長する人工種苗の生産につながる育種研究などが進められているところでございます。  これらの研究は、本県が取り組もうといたしております、養殖に適した系統づくりに大いに寄与するものであると思われますことから、県といたしましては、今後、この研究成果を生かし、養殖業者が求める、病気に強く成長が早いといった特徴を持つ人工種苗の生産の確立に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、ブリ人工種苗の取り組み状況についてでございます。  ブリの人工種苗による養殖は、生産履歴が明らかな上、天然資源に影響を与えないことなどから、特に、輸出に有利な魚として期待されているところでございます。そのため、県では、ブリの人工種苗生産施設の整備に向け、本年三月に着工し、現在、年内完成を目指しているところでございます。  また、ブリの人工種苗の生産技術につきましては、当該技術を既に確立している国立研究開発法人水産研究・教育機構に昨年の十月、県水産技術開発センターの研究員を派遣し、技術を習得するとともに、昨年十二月からは、その技術を用いまして、水産技術開発センターでの人工種苗生産試験を行っているところでございます。  県といたしましては、カンパチ・ブリの人工種苗の普及・定着に向けて、引き続き、国やかごしま豊かな海づくり協会、県漁連、漁協、養殖業者等の関係機関・団体等と一体となった取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。 38 ◯土木部長(渡邊 茂君)続きまして、公共事業についてに移ります。  公共事業の予算確保の状況及び取り組みについてでございます。  本県の社会資本整備を着実に推進するためには、必要な公共事業予算の確保が重要と考えており、これまで、県開発促進協議会などあらゆる機会を捉え、予算の確保を国に対して要請したところです。この結果、公共事業予算の国からの配分について近年厳しい状況が続いている中、平成二十九年度当初の配分額は、平成二十八年度を上回ったところでございます。  当初予算に対しましては約八割となっており、今後とも、道路や港湾整備による観光交流の促進など、ストック効果のアピールを盛り込んだ効果的な国への要請や、国の補正予算への積極的な対応などにより、引き続き、必要な公共事業予算が確保されるよう努めてまいります。  続きまして、寿大通線の予算化された理由及び交差点の検討状況についてでございます。  都市計画道路寿大通線の寿交番付近から国道二百六十九号との交差点までの約六百六十メートル区間については、幅員の広い歩道や植樹帯等が計画されており、多額の移転補償費を伴うなど、事業化には課題がありました。このため、県といたしましては、幅員の見直し等による移転補償費などの縮減について、鹿屋市と協議を行ってきたところであり、昨年度、同市の理解が得られましたことから、今年度より予算化したところです。  本路線と国道二百六十九号との交差点については、現在、公安委員会と協議を行っていますが、鋭角に交差する形状や交差点の感覚が短いなどの課題があり、調整に時間を要しているところです。今後、公安委員会との協議が調い次第、都市計画変更などの必要な手続を行い、早期の整備に努めてまいります。    [大久保博文君登壇] 39 ◯大久保博文君 答弁いただいたことに関しまして申し上げます。  農業農村整備事業に関しましては、農業・農村の強靱化、防災減災対策が実現できるような財源が確保されることを期待いたします。  また、水産業につきましては、養殖業界を取り巻く経営環境は厳しさを増している状況であります。漁業の成長産業化につながる人工種苗事業が確立されることを期待いたします。  公共事業につきましては、域内総生産につながるフロー効果も考慮された公共事業の実現と財源確保がなされることを期待いたします。  続きまして、観光及びスポーツ産業振興についての質問であります。  まず、スポーツ産業振興であります。  国内において、今後、東京オリンピック・パラリンピック、ラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京大会、関西ワールドマスターズゲームズ二〇二一といった大規模な国際スポーツイベントが控えており、スポーツへの国民の関心や企業等の投資意欲、スポーツを通じた地域・経済活性化への高まりが考えられ、スポーツ産業が日本経済をリードする成長産業として発展することが期待されています。  国の取り組みである未来投資戦略には、「二〇一五年五・五兆円のスポーツ市場規模を、二〇二〇年までに十兆円、二〇二五年までに十五兆円に拡大することを目指す」、そして「全国のスタジアム・アリーナについて、多様な世代が集う交流拠点として、二〇二五年までに新たに二十拠点を実現する」としています。  現在のスポーツ市場の主な構成要素を見れば、小売、スポーツ施設業、興行・放送等となっています。今後、国では、スポーツ市場拡大に向けて、スタジアム・アリーナ投資やスタジアム・アリーナを核としたまちづくり、スポーツ観戦者数増加などによる興行収益拡大、スポーツ実施率向上策によるスポーツ用品需要拡大、スポーツツーリズムなどの周辺産業等に対する需要拡大などに取り組もうとしています。  スタジアム・アリーナは、スポーツ産業の持つ成長性を取り込みつつ、その潜在力を最大限に発揮し、飲食、宿泊、観光等を巻き込んで、地域活性化の起爆剤となることが期待されています。現在、経済産業省及びスポーツ庁がスタジアム・アリーナ改革指針を発表し、整備に向けた支援を進めています。  さて、先日、企画観光建設委員会では、宮崎県の企業フェニックス・シーガイア・リゾート及び日南市のスポーツ合宿誘致の取り組みを視察いたしました。官民協働で、スポーツ合宿のチームに対する行き届いたケア、スポーツ合宿チームに公設スポーツ施設の優先的使用を認めるなど、ソフト・ハード両面にわたる取り組みが大変印象的でした。宮崎県のスポーツ合宿による地域活性化の取り組みは、本県においても、スポーツ産業振興の参考になるのではないかと思いました。  県においても、平成三十二年の鹿児島国体・全国障害者スポーツ大会開催を控え、スポーツへの関心が高まっています。  そこで、国の動きを踏まえ、県としてはスポーツ産業振興をどのように図るか、伺います。  また、大規模スポーツ施設の在り方検討委員会においても、国が提唱しているスタジアム・アリーナのような地域活性化につながる総合体育館の整備を図る意見も出ましたが、これに対する県の考えを伺います。  続いて、明治維新百五十周年記念事業についての質問です。  県では、平成三十年の明治維新百五十周年を目前に控え、官民一体となって、明治維新の礎、近代産業の魁といった歴史・文化遺産など、鹿児島にしかない魅力を広く県内外に発信する大々的なプロモーションイベント等の記念プロジェクトを実施していくとしています。  明治維新と言われる時代は、西洋文明の波が押し寄せる大きな時代の変化に、郷土の先人が中心となって創造的対応を図った時代だと思います。  私は、明治維新百五十周年をアピールするに当たり、江戸時代以前を全否定すると、全国から広く共感を得られないと考えています。事実、江戸は封建的な停滞社会ではなく、自然と共生した文化国家でありました。また、明治時代も、江戸期の多くの遺産で成り立っている部分がありました。西洋に範をとって作成した憲法には、古事記、日本書紀などの古典を顧みて、日本的な統治のあり方を示す「しらす」という、日本の国柄を反映させた概念を用いています。  そこで、明治維新と我が国の歴史の連続性に配慮しながら、明治維新百五十周年記念事業を行うことについて、県の考えを伺います。  大河ドラマ「西郷どん」の放送効果を最大限に生かすため、「西郷どん」をメーンテーマに本県の魅力のPRや観光地づくり、旅行商品の造成等を行うことにより、飛躍的な誘客促進を図るとしています。  西郷隆盛公の心を支え、その魅力的な人間性形成に影響を与えた「言志四録」という、江戸時代末期の儒学者である佐藤一斎の著作があります。「言志四録」には、良き人間、温ねるべき先賢の教訓、新しきを知る要諦、人生訓、処世訓、経営訓などが網羅されています。  そこで、「言志四録」に注目し、「西郷どん」のPR材料にすることについて、県の考えを伺います。  続きまして、外国人観光客についてであります。  国連は、ことしを開発のための持続可能な観光の国際年と定めています。国連によれば、「国境を越えて観光する人の数は、世界で一日三百万人以上に上り、毎年およそ十二億人が海外旅行している。このように膨大な人の移動をもたらしている観光は、経済と社会、環境での持続可能な開発に大きく貢献する可能性を秘めている」としています。国連は、こうした観光の役割に対する認識を広めていく年にするとしています。世界的にも、観光が注目される年になっている状況であります。  我が国においても、未来投資戦略によれば、観光を地方創生への切り札、GDP六百兆円達成に向けた成長戦略の柱と位置づけ、「観光が持つ広範な経済波及効果を念頭に、インバウンドと国内観光の両輪による観光振興を図るとともに、特定の地域に集中している国内外の旅行者を全国各地に分散・拡大させていく」としています。  具体的には、明日の日本を支える観光ビジョン、観光立国推進基本計画並びに観光ビジョン実現プログラム二〇一七に基づき、観光先進国の実現に向けて取り組みが始まります。二〇一六年二千四百四万人の訪日外国人旅行者数を、二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人とすることを目指す、そして、二〇一六年三兆七千四百七十六億円の訪日外国人旅行消費額を、二〇二〇年に八兆円、二〇三〇年に十五兆円とすることを目指すとしています。  本県においても、今年度からPR・観光戦略部を立ち上げ、観光産業振興を図っています。観光振興は世界的潮流ですし、国策として観光先進国の実現を目指していることから、時流に乗った取り組みとして評価できます。  本県では、外国人旅行者数増加に向けて、これまで各種施策を展開し、現在、過去最高となる外国人宿泊者数を記録しているとのことであります。  そこで、平成二十五年以降の本県の外国人宿泊者数の推移について伺います。  また、外国人旅行者数増加については、平成二十五年度の上海派遣研修特別事業の取り組みが一つのきっかけになったと考えますけれども、県としてはどのように評価するか、伺います。  また、今後、さらなる外国人旅行者数の増加に向けた取り組みについて伺います。  エネルギー政策についての質問であります。  まず、未来投資戦略には、環境エネルギー問題解決の手段の一つに、再生可能エネルギーの導入促進を掲げています。県においても、再生可能エネルギー推進委員会を設置し、県の再生可能エネルギー施策の基盤となる新たなビジョンを策定するための取り組みを始めているところであります。  私は、平成二十八年第四回定例会において、「再生可能エネルギーの導入を進める上で、エネルギー基本計画に基づくエネルギーミックスを踏まえるべきではないか」と伺いました。「国のエネルギー基本計画、長期エネルギー需給見通しを認識している。再生可能エネルギーに関しては、エネルギー基本計画にもあるように、課題もあるが、再生可能エネルギー県に少しずつ変身させてまいりたい」旨の答弁がありました。  私は、国が、エネルギー基本計画において、エネルギー政策の基本的視点として求めている、安全性、安定供給、経済効率性及び環境適合を考慮し、二〇三〇年度時点の現実的なエネルギーミックス、ベースロード電源の存在を踏まえて、県のエネルギー政策は行われるべきと考えます。「再生可能エネルギー県に少しずつ変身」との答弁は、再生可能エネルギー導入については、国策を踏まえ現実的に対応するという趣旨であると理解したところであります。  そこで、現在検討している県の再生可能エネルギー施策も、国のエネルギー基本計画、長期エネルギー見通しを踏まえたものになるのか、質問いたします。  電圧フリッカ現象及びエネルギー需給バランスについての質問です。  平成二十四年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度開始以降、太陽光発電設備の連系が急速に進展する中、局所的なエリアにおいて、電圧フリッカが発生しています。  電圧フリッカとは、電線路の電圧が繰り返し変化することで、家庭などの照明が明るくなったり暗くなったりを短い時間に繰り返す現象であります。原因は、一部の太陽光発電設備に備えられているPCS、いわゆるパワーコンディショナーから電線路へ注入される無効電力であります。現在、解消されているということですが、想定外の電圧変動現象でありました。今回は、電圧フリッカは照明のちらつきの現象にとどまったようです。  電圧フリッカは、電圧変動に起因するテレビ画面の動揺、生産面での電動機の回転むら、工場製品の品質低下、不平衡電圧、逆相電流、高調波電流等による影響などの現象が指摘されております。  そこで、電力需給バランスを考慮した再生可能エネルギーの導入のあり方が望まれますが、県の考えを伺います。
     また、再生可能エネルギー導入と電力安定供給についてですが、平成二十七年度の県の現状を見れば、再生可能エネルギーは、発電が不安定なものと位置づけられている太陽光・風力が七七・三%を占めています。また、再生可能エネルギーの地産地消は、雇用の創出、地域の活性化、地域特性の活用であると理解いたします。  九州本土においては、再生可能エネルギーの大部分は九州電力の系統と接続する必要があることから、鹿児島県だけが突出して供給力を高めると、電力の需給バランスが崩れることになります。  電力の需給バランスを考えると、出力安定性のある再生可能エネルギーの導入に努めることが重要と考えますが、県としてどう考えるか、質問いたします。  再生可能エネルギーとコストについての質問であります。  固定価格買取制度では、再生可能エネルギーによる電気を電力会社が買い取る費用を賦課金として電力料金に加算する仕組みになっています。再生可能エネルギーの導入が進むと、電力会社の買い取り費用が増加し、電力料金の上昇により、県民の負担が大きくなると思われます。  国も、長期エネルギー需給見通しにおいて、再生可能エネルギーについて、「各電源の個性に応じた最大限の導入拡大と国民負担の抑制を両立する」とあります。  そこで、県は、再生可能エネルギーの導入を進めようとしていますが、どのように考えているか、伺います。 40 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、スポーツ産業振興についてのお尋ねでございます。  県では、本県の温暖な気候を生かしたスポーツキャンプ等の誘致活動を推進し、スポーツを通じた交流人口の拡大を図るため、平成十八年度から、事業者や各地域振興局などから成るスポーツキャンプ対策県連絡会・地域連絡会を組織し、スポーツキャンプ・各種大会の誘致から歓迎まで官民一体となった取り組みを実施しておりまして、県内でスポーツキャンプ・合宿を行った延べ人数は、ここ十年間で二倍以上の十四万一千人と伸びております。  また、鹿児島ユナイテッドFCなど、県内を本拠地とするプロスポーツチームを支援することで、県外からの誘客、県外における鹿児島のPR効果による観光交流を促進しているところであります。  このような取り組みを通じまして、本県におきましても、宿泊、交通、飲食など幅広い産業への波及効果も生じていると考えております。  県といたしましては、国におけるスポーツ振興の取り組みなども注視するとともに、スポーツ観光の取り組みを進めることで、関連産業の振興にも努めてまいります。  次に、明治維新と我が国の歴史の連続性並びに西郷隆盛と「言志四録」についてでございます。  県では、明治維新百五十周年を契機として、鹿児島の歴史や文化遺産などを生かして、さまざまな取り組みを戦略的に進め、鹿児島の活性化を図ることといたしております。これまで、薩摩藩が明治維新におきまして重要な役割を果たし得た要因や、当時の鹿児島の人々の暮らしや教育などを取りまとめ、「明治維新と郷土の人々」として発行したところでございまして、また、その中で、西郷隆盛公を初め、幕末の志士の思想に大きな影響を与えたとされる「言志四録」についても紹介しております。  また、「明治維新と郷土の人々」を活用しながら、シンポジウムや講演会、県政出前セミナーなどさまざまな機会を捉えて、本県の歴史や近代化の歩み、明治維新の意義などを紹介し、県民の機運の醸成に取り組んでいるところでございます。  今後とも、本県の歴史・文化等を生かして、「西郷どん」キャンペーンやかごしま青年塾を初め、明治維新百五十周年関連の観光プロモーションやイベント、情報発信、人材育成など幅広い取り組みを展開し、本県のPRや観光客の誘致につなげてまいります。  外国人観光客についてでございます。  本県の外国人延べ宿泊者数は、平成二十五年が二十一万五千人、平成二十六年が二十六万六千人、平成二十七年が四十一万六千人、平成二十八年は、速報値でございますが、四十八万八千人で過去最高を記録する見込みでございます。  外国人観光客の誘致につきましては、これまで、直行便が就航している国や地域を中心に、海外セールスや現地メディアの招請、旅行博への出展などを通じてPRに取り組んでおりますが、シンガポールやタイなどASEAN諸国へのセールスや、欧米豪市場を念頭に置いたマスコミ招請なども行うことといたしております。  引き続き、国や九州観光推進機構などとも連携しながら、世界遺産を初めとする豊かな自然、歴史・文化、食など、世界に誇れるすばらしい鹿児島の観光資源を積極的にPRすることにより、クルーズ船も含めた海外からの誘客促進に積極的に取り組んでまいります。 41 ◯企画部長(東條広光君)観光及びスポーツ産業振興についてのお尋ねのうち、総合体育館に関する質問がありました。  総合体育館につきましては、県では今年度、大規模スポーツ施設の在り方検討委員会を設置し、現在、その必要性、機能について検討いただいているところであります。  御紹介のありました未来投資戦略に係ります国の動向については、引き続き注視してまいりたいと考えております。  次に、鹿児島・上海線の評価についてであります。  鹿児島・上海線は、東アジアの主要都市である上海と鹿児島とを直接結ぶことにより、成長する中国経済の波及効果を本県にもたらす重要な国際航空路線であります。官民一体となった路線維持に係る取り組みを経て、平成二十五年当時と比較しまして、平成二十八年には、鹿児島・上海線の外国人利用者数は約一万一千人と二倍以上に伸びたほか、中国人観光客の県内宿泊者数についても約六万二千人と五倍以上に伸びるなど、中国人の旺盛な訪日観光需要を支える路線となっております。  県としましては、引き続き、同路線の安定的な運航に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  エネルギー政策についてのお尋ねのうち、まず、県の再生可能エネルギー導入施策についてであります。  現行の再生可能エネルギー導入ビジョンにつきましては、その目標が平成二十七年度末でほぼ達成されたこと、固定価格買取制度の見直しなど再生可能エネルギーを取り巻く状況が大きく変化したこと、海流発電など新しい発電方式が開発されたことなどから、新たなビジョンを策定することとしたところであります。  策定に当たっては、本県の現状や課題等を踏まえた上で、地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入促進や、エネルギーの地産地消による雇用の創出と地域の活性化などを重視したいと考えております。  また、再生可能エネルギーについては、国のエネルギー基本計画や長期エネルギー需給見通しにおいても、安定供給面やコスト面での課題はあるものの、有望かつ多様で重要な国産エネルギー源と位置づけ、積極的に推進していくこととされているところであります。  次に、電力需給バランスを考慮した再生可能エネルギーの導入についてであります。  太陽光発電設備の急激な増加に伴い、御指摘がありましたように、一部で電圧フリッカ現象が発生しているほか、離島におきましては、電力需要が少なくなる時期に需給バランスが維持できず、出力制御が実施されるなどの課題が生じているところであります。  このような状況を踏まえ、県としましては、新たな再生可能エネルギー導入ビジョンの策定に当たりましては、自然条件によって出力が大きく変動する太陽光発電や風力発電については、出力を平準化できる蓄電池等を活用することや、安定した発電が可能な小水力やバイオマスなどについては、さらなる導入促進を図ることなどについて検討してまいりたいと考えております。  次に、再生可能エネルギーとコストについてであります。  再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーの導入を支えるものでありますが、再生可能エネルギーの導入拡大に伴いまして、年々その額が増加してきております。このため、国は、国民負担が過重なものとならないよう、例えば太陽光については入札制を導入するなど、買取価格の低減を図ることとしたところであります。また、負担の公平を図りますため、電力使用量の極めて大きい鉄鋼業等に対し、一律八割を減免していた賦課金について、省エネの取り組みが不十分な場合、減免率を引き下げるなどの見直しを行ったところであります。  県としても、国のこうした動きを踏まえ、さらなる負担金の軽減が図られるよう、今後とも、開発促進協議会等を通じまして国に要望してまいります。 42 ◯大久保博文君 再質問いたします。  外国人観光客についての質問であります。  外国人旅行者数の増加について、単に旅行者数増加だけでなく、質の向上も大事だと思います。例えば経済波及効果、宿泊日数増、リピート率向上、マナーのよい客の獲得、外国人のSNSによる鹿児島県の好イメージ発信等につながる取り組みも必要であると考えますけれども、県の考えを伺います。 43 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)インバウンドに関する質の向上という観点での御質問でございますが、大久保議員も先ほどおっしゃいましたけど、国が観光ビジョン実現プログラム二〇一七を策定しておりますが、この中にも書いてありますように、この計画も踏まえまして、県といたしましては、一般的に滞在日数が長く、消費性向が高く、そして今後成長が見込まれる欧米豪を対象としたプロモーションを、今年度新たに始めることといたしております。  また、世界遺産が複数存在するという本県の特徴を生かしまして、本土と離島を結ぶ世界遺産クルーズにつきましても、本格的にセールスを始めることといたしております。  また、本県に住む外国人を対象にいたしまして、「外国人が伝える日本一鹿児島」というテーマの動画を今、募集しておりますが、これも広報ツールとしてぜひ活用していきたいと思っております。  県といたしましても、鹿児島のすぐれた素材を生かしながら、ニーズに対応したサービス、情報、そういったものの提供に努めていきたいと考えております。    [大久保博文君登壇] 44 ◯大久保博文君 今定例会開会日の六月十九日は、元号の日とされています。六四五年大化の改新によって、日本初の元号「大化」を定めた日とされているからであります。以来、「平成」まで二百以上の元号が定められています。  元号法は、「元号は、皇位の継承があった場合に限り改める」と規定しており、今回の皇室典範特例法の成立により、近い将来、新たな元号が定められることになります。  私は、昭和、平成、そして新しい元号の時代になっても、一貫する日本国の歴史を感じながら県政で務めていくことをお誓い申し上げ、全ての質問を終わります。(拍手) 45 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、山田国治君に発言を許可いたします。    [山田国治登壇](拍手) 46 ◯山田国治君 お許しいただきました。質問させていただきたいと思います。  もう随分昔の話になりますが、我々の大先輩で奄美の議員がおられました。あるとき、執行部の方が「議員はほとんど質問されませんけれども、なぜですか」と聞かれたところ、答えていわく、「僕は議員も長くしている。あなたたちに教えることはあっても聞くことはない」と、このような答えをされたそうでございますけれども、私も長く県議会に議席を置かせていただいておりますが、まだこの域に達しておりません。  通告いたしておりますので、幾つか質問させていただきたいと思います。  まず第一番目に、都市計画道路の新町線についてお尋ねいたします。  我々の地元はもちろんでありますが、大隅半島の方々が空港に足を向けられるときに、今の第一工大の東側にある交差点に差しかかったときに、初めての人は、空港は目の前にある、さらに溝辺は見えるところにあるのに、なぜ霧島のほうに右折しなければならないかという疑問を持たれるわけであります。先ほど言いましたように、右折してしばらく走って、国分の久保田というところで左折して、そして隼人町の西光寺というところを通って溝辺空港に上って行くのが、今の実情であります。  今度、この新町線が開通いたしますと、こういう苦労が省けるわけでありますが、そこでお尋ねする一点は、現在の進捗状況、私も見ておりますけれども、現実に担当者としてどう捉えておられるか、お聞かせいただきたいと思います。  さらにまた、我々がいろんな地域に行ったときに、まず、その地域がどのような発展をしているかということを占う上で、一番手っ取り早いのが道路網の整備であります。道路の整備されたところは、将来に向けて必ず発展する要素を備えているわけでありますが、そこで、あの道路が完成したときに、県当局としては、どのような効果があるか、あるいはどのような発展性を考えておられるのか、お示しいただきたいと思います。  次に、時代の流れに対応した制度の見直しについてお伺いいたします。  高齢化が進み、今までの制度ではなかなか対応のできない問題が、最近になって特に目立っているように思います。先般、大園議員も御指摘になられました。県道に限らず多くの道路が、そこを通行するときに、その道路脇にある樹木が道路を塞いで通行の邪魔になっているということであります。特に、御案内のとおり、今はコンテナ車というものがありますが、道路の端を走っておりますと、脇にある樹木にぶつかりコンテナが傷むこともありますし、それを避けて道路の中央を走れば、対向車とぶつかる可能性も出てくるわけであります。  そこで、私もこういう相談を受けて対応に行きました。地権者の方に、「お宅の樹木が邪魔になるから切ってくださいよ」。今の制度の中では、その所有者の責任において樹木を伐採するというのが決まりであります。先ほど申し上げましたように、切ってくださいということでお願いに行きましたところ、「山田さん、私ももう八十になるような年齢になっております。あんな大きな木に登って枝を落としてくださいというのは酷じゃないか」と、こう言われた。「根元からでもいいから、あの木を行政の手法で伐採してくださいよ。文句は言いません」。これを聞いておりまして、なるほどそうだなと。あんな大きな木に登って枝を落とせと言うほうが無理でありますけれども、繰り返しになりますが、今の状況下では、持ち主の責任において伐採するようにと、大園議員が御指摘されたとおりであります。  先ほど大園議員にその話をしますと、行政の対応が非常に早くて、きれいに伐採されているというお話でありました。  これとは別に、私が申し上げたいのは、事務所におりますと一つの電話が入りました。「山田さん、どこどこの田んぼであるけれども、時間があればすぐ出てきてくれ」とおっしゃるので、私もすぐ現場に駆けつけました。その電話された方いわく、「この農道ののり面から下にある田んぼ、これを耕作しようと思うが、のり面に生えている草を刈ろうと思ったところ、若いときには足腰にも十分自信があったけれども、年を重ねるに従って足腰が弱って、ビーバー、草刈り機で田の草を刈っていたところ、滑って下まで落ちた。危うくこの草刈り機で大けがするところだった」と、こういうお話でありました。  これを聞きまして、やはりそうだなと。圃場整備したところでも、一メートル前後の土手があるわけでありますが、三メートル、四メートルあるいは五メートル、こういうところの土手を刈るときに、農家の方々が高齢化していてなかなか対応が難しいという状況が出ております。時代が流れれば当然のことであります。  県の当局におかれましては、今申し上げたようなことを踏まえて、これから到来するであろう高齢化社会に向けて、今までの制度では対応できないことがるる出てくると思いますが、申し上げたことにどのような見解をお持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、太陽光発電の諸問題について見解をお聞かせいただきたいと思います。  今回の議会におきましても、これに類する質問が出ました。私にそれこそまた地域の方々から連絡がありまして、「山田さん、我々の地域に今、ソーラー発電の施設が開発されつつある。ちょっと来てくれ」というお話でありました。私もそこを一日に何回となく通っているわけでありますが、山の小高いところで開発が進んでおりますので、まさかそういうソーラーの大きな開発が進んでいるとは思いもしませんでした。  行ってみると、びっくりするような開発が行われておりました。雨が降ると、下にある、もちろん川でございますが、ここに土砂がたまる。さらに、その延長線上にある小浜という海岸の海にこれが流れ着くわけであります。御案内のとおり、我々のこの小浜を初めとする海岸には、稚貝をかごに詰めて、これを成長させて地元のブランドとしてアサリ貝を売るという、そういう施策に漁業関係者は取り組んでおられます。当然、こういう方々からそういう苦情が出るのは当たり前であります。  私もその現場に行きまして、関係者に集まっていただき、つぶさに現地を調査いたしました。その後に、その現場の一つの事務所施設に皆さんにお集まりいただき、そこで対応策を協議しようということになりました。我々の振興局の局長にもお出かけいただきました。県当局の林地開発に関係する職員の方々もお出ましいただきました。さらにまた、漁業関係者には三名ほど来てくださいと言ったのですけど、十名を超える方々が見えて「山田さん、いいかい」と聞かれるので、だめだと言うわけにはいきません、「どうぞどうぞ」。  そしてその部屋で、先ほど申し上げました工事関係者、県当局、そして地元の方々、一堂に会して協議しようと思いましたので、その前にまず私が提案いたしました。これだけ多くの方々が協議されれば、一つの整理をしなければなかなか前に進まないから、私がこの会の座長をさせてくれということで申し出いたしますと、快くお許しいただきました。  そして、まず私が冒頭で申し上げたのは、「工事関係者の方々、設置者がまず意見があればお述べください。次に、これを踏まえた上で県当局がお答えください。そしてその後、御地元の方々が意見があれば述べてください」。このような順序で会を進めようということで申し上げたところ、これもまた快く御理解いただきました。  施工者がるる説明されました。私もこれを聞いておりました。次に、県当局に発言を求めました。県のほうで言われたのは大まか、国の制度あるいは自分たちの考え方、これに照らし合わせて許可いたしましたという話でありました。  私もこのときに思いましたのは、制度の中である意味においては縛りがかかっている中で、最大限の努力をされながら許可を与えられたということは、私なりに理解できるわけでありますが、疑問に思ったのは、そういうしっかりした制度の中で許可を与えられた。だけどその結果が、海に流れ着く。河川では土砂が堆積し、さらにその延長線上にある海では稚貝が窒息して死ぬという、そういう状況が生まれている。どこに問題があるのかといえば、私は、その許可を与えるときのハードルが低過ぎたのではないかと、このように思うわけであります。  起こったことは仕方がない。しかし、今、御案内のとおり、県下各地でこういう開発は行われているわけでございます。仕方がないでは済まされない状況も多々見られます。私が言うまでもなく、この太陽光発電に関連する開発では、県下各地でトラブルが起きているのは、当局としても先刻御承知のとおりであると思うわけであります。  したがいまして、条件を満たせば許可せざるを得ないが、しかし、現在の認可手続において問題があるのではないかということを指摘いたしますが、県におかれましては、どういう対応の仕方、今日の考え方、お持ちであるかお示しいただきたいと思います。  さらにまた、ソーラー設置者が地元住民とトラブルを起こしている例が、私も承知いたしておりますが、各地であります。県におかれてはどういう認識をお持ちであるか、お答えいただきたいと思います。  以上で、一回目の質問を終わります。    [知事三反園 訓君登壇] 47 ◯知事(三反園 訓君)都市計画道路新町線の工事の見通しについてであります。  都市計画道路新町線のうち、第一工業大学付近のおよそ五百メートルのバイパス区間につきましては、平成二十五年度から事業に着手し、現在、同大学による施設の移転と工程調整を行いながら、JR線との立体交差に係る橋梁の整備を進めているところであります。橋梁の完成までには二カ年程度見込んでおります。その後、開通に向けて橋梁前後の改良工事や舗装工事を予定しております。  次に、当路線の整備効果についてであります。  当路線の整備によりまして、霧島市中心部の渋滞緩和が図られるほか、大隅地域から鹿児島空港へのアクセス道路としての機能が向上し、地域産業の物流の効率化にもつながるなど、大きな効果が期待できるものと考えております。  今後とも、霧島市とも連携いたしまして、地元の理解と協力をいただきながら、早期の整備に努めてまいります。 48 ◯農政部長(川野敏彦君)高齢化に伴い、これまでのやり方では対応できなくなっている一例として、農地のり面の維持管理を挙げてのお尋ねでございます。  農地のり面の維持管理のためには、行政からの支援手法として、多面的機能支払交付金と中山間地域等直接支払交付金の二つの制度の活用が可能となっております。県内でも、これらの制度を活用して、雑草の生育を抑える、いわゆる防草シートでのり面を被覆したり、芝等の植栽により雑草を抑えるなど、管理の省力化を図っている取り組みが見られます。  また、農業農村整備事業を実施する際、御指摘ございました高さのあるのり面では、のり面の中段に管理用の平場を設けたり、農地集積などに取り組む場合には、防草シートの設置等も認められているところです。  県としては、それぞれの地域における話し合いを通じ、これらの制度を活用した農地のり面の維持管理の軽減が図られるよう、市町村とも十分連携してまいります。 49 ◯環境林務部長(古薗宏明君)太陽光発電に係る諸問題に関連して、林地開発許可のあり方等についての御質問がありました。  林地開発許可制度は、水源の涵養、災害の防止、環境の保全など森林の有する公益的機能を維持し、森林の適正な利用を確保することを目的として、財産権の行使を一部制限するものであります。このため、森林法におきましては、周辺地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること、下流において水害を発生させるおそれがあることなど、四項目の基準、いわば不許可とすべき基準でありますけれども、これらのいずれにも該当しない場合には、開発を許可しなければならないとされております。  許可に当たりましては、国の開発行為の許可基準の運用細則等に基づきまして、厳格に審査を行い、開発行為に起因する問題が生じないよう、防災面の指導を行っているところであります。また、調整池など主要防災施設の工事を先行して行うことや、区域外に土砂が流出しないような措置を講じることなど、森林法の許す範囲内で厳しい条件を付しているところであります。  林地開発におけるトラブル等への認識などについてであります。  林地開発をめぐる最近の事案につきましては、施工中の雨水対策が不十分で土砂流出が発生したことや、事業者の説明不足により、地域住民が不安を抱いたことなどに起因して生じたのではないかと考えております。  このようなことから、県といたしましては、事業者に対し、施工中の防災対策を徹底して行うとともに、地域住民に事業内容の説明を丁寧に行うよう、事前あるいは事後を問わず指導しているところであります。  特に、シラス土壌における大規模な林地開発につきましては、過去の土砂流出事例も踏まえまして、現地調査を月一回程度行っております。また、のり面の早期緑化や適切な分散排水、沈砂池の十分な容量確保など、表面侵食や区域外への土砂流出防止対策を徹底するよう、事業者を指導しております。  県といたしましては、今後とも、できる限り地元住民の理解を得て工事が行われるよう、事業者の指導に努めてまいります。 50 ◯山田国治君 自席からですが、一点だけお尋ねします。  今おっしゃったことは当たり前のことなんです。私がさっき言ったように、今言われるようなことでちゃんとチェックして、そして許可されるわけでしょう。その許可された結果がこうなっていると。どこに問題があるか。あなた方が書類審査でちゃんとチェックして業者はちゃんとした許可を受けておられるわけ。にもかかわらずこういう状況が発生しているわけです。私がさっき言ったように、どこかに問題がないとこういうことは起きない。  私も、例えばこの前も聞いたんです、時間雨量はどのくらいでセッティングしているかと聞いたら、百三十ミリと言うんですよ、百三十ミリ。この間、それならその現場で降ったときの雨量というのはどのぐらいかと聞いたら、三十ミリぐらいと言うわけです。私もそのときに、甲突川、八・六水害、あのときにどのくらいの雨量があったかと参考までに聞いたんです。八十ミリぐらいですよ、多くて。それを百三十ミリぐらいの雨量でああいう状況が起きないということで許可されたわけです。それが、七十ミリぐらいのあの甲突川の氾濫ですよ、八・六水害。あれよりももっともっと低い二十ミリか三十ミリでああいう状況が起きているから、どっかに制度の甘さがあるんじゃないか、それを言っているわけです。 51 ◯環境林務部長(古薗宏明君)林地開発許可につきましては、最終的に開発行為が終わった後を想定して、まずはどういう傾斜角度にするとか、そういう細かい基準が定められておりますので、最終的に全ての工事が終わった後、要は沈砂池、調整池、そういう主要防災施設でありますとか、あるいは擁壁ですとか、工事が終わった段階ではそういうことになります。  ただ、やはり施工中において、例えば調整池がまだ整備がなされていないとか、そういう状況のもとで、議員おっしゃるように、少々の雨が降った場合にも、そういう流域に、周辺地域でありますとかそういうところに土砂流出とかが及ばないように、施工中の管理についても十分に注意を払うように指導しておりますけれども、物がなかなかできなかったりとか、物をつくろうとしているやさきに雨が降ったりとかしますと、そのような事態が起こってしまう。  これについては、我々の指導のあり方についても、また今後いろいろ考えなきゃいけない場面があるかと思いますけれども、その途中途中で跛行的な出来事が起こった場合には、我々としても、事業者に対して強い注意喚起を行いますとか、あるいは指導を行うとか、住民に対してきちっと説明するとか、そういう形での対応はしっかりやっていく必要があると考えております。    [山田国治君登壇]
    52 ◯山田国治君 くどいようですけれども、しっかりした制度をつくられ、そして地域住民は、県のしっかりした許可制度の中で開発が行われている、こういう認識でおられると思うんです。決してその認識は私は間違っていないと思うわけでありますけれども、こういう状況が起きたときに、最終的に責任をとらなければならないのは県当局であります。  なぜかといえば、そのためにあなたたちがちゃんとしたハードルをつくって、業者に対してそれを履行されるように制約されていると思うわけであります。このハードルが高くて、業者がこれだけの経費を投じて開発することができないと思えば、事業を断念するわけであります。そのハードルが低ければ、これだけの工事ができるとそういう計算をして、今はソーラーの話をしておりますので、ソーラー発電の施設に取りかかるのは、これは物の道理であります。県下のあちこちでこういう状況が生まれていることも、私も承知いたしておりますし、先ほど申し上げたとおりであります。  そこで、これは要望でありますけれども、「あなた方が許可されるときに、地元の方々に、出向いていって、今回、あなた方の地域にはこういう施設ができますよ、県としては、災害が起きないように、地域の方々に迷惑をかけないようにこういうたがをはめています、ブレーキをかけていますよと、その説明をされてはどうか」と、この前言いましたところ、「それは業者がしなければならない、そういう申し出をする場合の条件になっておりますので」というような答弁が返ってきましたけれども、これからはいろんなことを総合的に判断して、県が責任ある対応をされるならば、まず真っ先に地域の方々に、これから許可しようと思っているこういう開発については、県はこういう状況をあるいはこういう注文を開発者に向けてつけておりますよと、こういうこともされてもいいんじゃないかなと思うわけでありますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。  次に移りたいと思いますが、鹿児島県建築物耐震化促進事業についてであります。  阪神・淡路大震災を初め、東日本大震災、こういうことを踏まえて法律が制定、改正され、大規模建築物に対する耐震診断をされておりますし、これに従わない場合には公表するというような条件がついております。  阪神・淡路大震災にしても、東日本大震災にしても、それこそこの法律が改正されてから起きた地震ではありません。ホテルを建てられる人、大規模建築物を許可いただいて建てられた方、この人たちはそのはるか以前に、法に基づいた制度の中で許可を取られて建築物を構築されたわけであります。地震が最近になってあったわけでもありません。昔から日本列島は地震列島とも言われるくらいであります。  私は何が言いたいかといえば、以前からあったそういう事象に対して、最近になって高いハードルをこういう建築物を持っておられる方々に課するということに、私は問題があるのではないかと思います。  その制度の中には、厳密に従わなくても、極論は避けますと、極端な注文はいたしません、こういうことになっているようでありますけれども、例えば旅行社、旅行代理店の方々がお客さんに旅行に行きませんか、泊まるホテルはここですよ。それを見たときに耐震構造のしっかりした建築物ではありません。お客さんは来るはずがない。まず、旅行代理店がそういうホテルを勧めるはずがありません。  今、鹿児島県は観光立県を標榜いたしておりますし、それに向かって努力されていることも承知いたしております。しかし、我々の丸尾という地域にもホテルはたくさんありますし、指宿においても大きなホテルは幾つもあります、体力のあるところは、国が言うなら仕方がないと、そういう改修をされるかもしれませんけれども、悲鳴を上げておられるそういうホテルにおいては、わかりましたと言うにはなかなか難しい問題がある。しなければしないでいいんですよと言いながら、一方では公表すると、その辺がやはりこの国のやり方、あなた方に言っても始まらないわけでありますが、私は問題があると思います。  地元の知事であります。地元でこういう状況が起きているときには、まず真っ先にその実情を調べて、国に対して物申すことは、知事として決して出過ぎたことでもありませんし、私はごく当然のことだと思っております。降って湧いたようなこのような現状に対してどのような考え方を持っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。そして、この法律の改正の背景にどのようなものがあるのか、あわせてお尋ねいたします。  さらに二点目、公表対象となる大規模建築物はどのようなものがあると認識されているのか、あわせてお聞かせいただきたいと思います。  さらに、所有者には、先ほど申し上げましたように、降って湧いたような事象であります。これらの方々の負担を軽減してあげるということは、至極当然のことと思いますけれども、これについてもどのような支援策を考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。  続きまして、私も、知事が知事になられてからの初めての登壇であります。毎回毎回、知事がかわるたびに私も言ってきたことが一つあります。ぜひお聞きいただきたいと思います。  桜島と大隅半島の開削についてです。  それは大正三年の爆発、当然、知事も議場の方々もお生まれになっておられませんけれども、それまでは大隅半島と桜島が海峡で渡らなければならないという状況がありました。大正三年の爆発で、今は御案内のとおり陸続きになっております。大正三年の爆発以前は瀬戸海峡と呼ばれて、その幅員は六百四十メートル、さらに水深は七十メートルほどあったと聞いております。  知事がかわるたびに質問してまいりましたけれども、膨大な経費がかかるわけでありますので、おいそれとやってみましょうという話にはならないわけでありますけれども、長い人生の間で、長い県政史上の中で、将来に向けて一つぐらいはこういう形で取り組んでみようか、そういう気概というものは県のリーダーとして私はお持ちになって結構だと思いますし、そうあるべきだと思っております。  蛇足になりますが、今、本四架橋は幾つも瀬戸内海にかかっております。百年以上前、香川県の一県議会議員が、あそこに橋をかければどうだろうかという提案をいたしました。当時は誰も相手にしなかったそうでありますけれども、今は、一つといわず何本もあのような形で橋がかかっております。  したがいまして、県政というものは夢をつくり、夢を求めて動くときがあってもいいのではないかと思います。あくまでも、あしたお願いします、来年何とかしてください、このようなお願いではないということを御認識いただいた上で、御答弁いただきたいと思います。  さらにまた、自殺対策について御答弁いただきたいと思いますが、平成十八年、日本全体で三万人の自殺者がいたという統計がございます。これが平成二十七年には二万三千人に減少したということでありますけれども、このことについても、この世に生を受けて自分で自分の命を絶つということは、これほど悲しいことはありません。どのようなお考えをお持ちかお聞かせいただきたいと思います。 53 ◯土木部長(渡邊 茂君)鹿児島県建築物耐震化促進事業の関係について、まず、耐震改修促進法改正の背景と概要についてでございます。  耐震改修促進法は、議員御発言のように、平成七年に発生した阪神・淡路大震災を契機に制定されましたが、その後も東日本大震災などの大規模地震が発生しており、また、将来、南海トラフなどの巨大地震の切迫性が指摘される中、建築物の地震に対する安全性の向上を一層促進するため、平成二十五年に改正されました。  改正法においては、昭和五十六年以前に建築された不特定多数の者が利用する大規模な建築物について、所有者が耐震診断を行い、県など所管行政庁にその結果を報告すること、さらに、報告を受けた所管行政庁は公表することが義務づけられました。  公表対象となる建築物ですが、法令により用途別に規模が定められており、具体的には、ホテル・旅館、病院、店舗等では階数が三階以上かつ延べ面積五千平方メートル以上、学校では階数が二階以上かつ延べ面積三千平方メートル以上の建築物などとなっています。  続きまして、耐震化に係る県の支援策についてでございます。  県では、大規模建築物の所有者の負担を軽減するため、平成二十六年度に建築物耐震化促進事業を創設し、耐震診断について補助を行い、平成二十七年度からは、補強設計、改修工事についても補助しているところです。耐震改修に対する補助率につきましては、国、県、市を合わせて約四五%となっています。  今後とも、県の補助制度により所有者の負担が軽くなるよう引き続き支援を行い、大規模建築物の耐震化の促進に努めてまいります。 54 ◯企画部長(東條広光君)桜島と大隅半島の開削についてのお尋ねでございます。  桜島と大隅半島の開削につきましては、この議場、県議会の場におきましても、これまでいろいろと御意見を承ってきているところでございます。また、県としましても、過去、国とともに調査を行ったり、関係者や専門家から御意見を伺ったりした経緯がございます。  開削の効果につきましては、さまざまな意見がありましたが、この地域は、桜島の爆発の歴史を伝える溶岩原や、溶岩原から自然林への移り変わりの過程を示す貴重な自然景観が見られる国立公園の特別保護地区等になっていること、また、多額の調査費や工事費を要することが見込まれることなど、難しい問題があるものと考えております。  一方で、開削に期待されている住民の方々もおられると伺っておりますので、社会経済情勢の動向等も見ながら、錦江湾の将来に向けての課題として受けとめさせていただきたいと思います。 55 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)自殺対策についてお尋ねがございました。  本県の自殺者数は、人口動態統計によりますと、平成十八年の五百七人をピークに毎年減少し、平成二十七年は三百十二人となっております。  県では、自殺予防情報センターを設置し、自殺を考えている方や自死遺族等からの相談に対応しておりますほか、自殺予防週間等における普及啓発、悩んでいる人に気づき、見守り、必要な支援につなげるゲートキーパーの養成、かかりつけ医のうつ病対応力向上研修の開催、自殺未遂者を支援するための体制の構築など、関係機関と連携した総合的な自殺対策に取り組んでいるところであります。  加えまして、本年八月九日には、地域の実情に応じた自殺対策を推進するため、市町村長等を対象といたしました地域自殺対策トップセミナーを開催することといたしております。  なお、自殺対策基本法の改正によりまして、県と市町村に自殺対策計画の策定が義務づけられましたことから、本県におきましては、今年度は計画策定に向けて現状分析や課題の検討等を行っているところであります。 56 ◯山田国治君 少々時間が残っておりますので、少し詳しく御説明いただきたいと思います。  桜島と大隅半島との間を開削した場合に、いろんな効果があると思いますけれども、観光面に対する効果について、さらにまた水産振興面での効果について、さらに、桜島が大爆発して鹿児島市に面したあの海峡の通航ができなくなった場合、今の海峡を開削すれば、避難路はたくさんあっても、それも一つの避難路になると思いますが、どのように考えておられるのか。  それと、鹿児島湾奥の水質の汚染、これは年を追うごとに高まっておりますし、当然、我々湾奥に住んでいる者は、人口がふえて、企業が誘致されて、どんどんどんどん勢いがついていくということを望んでおりますけれども、その反面、水質というものに着目したときに、それは今のままをずっと堅持していくということは無理があると思うわけでありますが、どのようなお考えをお持ちなのか。時間の都合もありますので、簡単で結構ですのでお聞かせいただきたいと思います。 57 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、開削に伴う観光への効果でございます。  観光への効果につきましては、納涼観光船やヨットなど、桜島を船で周遊する多様な遊覧クルーズなどの観光が期待できるという声もあります。一方、大正の大噴火により大隅半島と陸続きになったということは、噴火の歴史を伝える観光資源として評価するという意見もあります。 58 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)水産振興に関するお尋ねでございました。  桜島口の開削による水産振興への効果につきましては、平成十一年度に行いました専門家及び漁協関係者等からの意見聴取結果では、海水の循環による富栄養化の防止、赤潮発生の抑制など、養殖業へのよい影響が考えられるとの意見があったことは承知いたしております。このほか、さまざまな御意見が出されたところでもございます。  なお、旧瀬戸水道の規模に開削した場合の水産振興に対する効果につきましては、科学的・技術的に試算しておりませんので、どのような影響があるかはわからないところでございます。 59 ◯危機管理局長(田崎寛二君)開削による防災上の効果についてのお尋ねがございました。  県及び鹿児島市の地域防災計画におきましては、桜島で大きな噴火が予測されるときは、住民は島外に避難することが原則となっており、避難方法として、船舶による避難等が想定されております。  桜島口の開削が行われた場合、桜島と大隅半島の間を船舶が往来できるようになります。島外避難を行うための避難航路となるかにつきましては、検証が必要になるものと考えております。 60 ◯環境林務部長(古薗宏明君)鹿児島湾の水質保全につきましては、昭和五十四年に鹿児島湾ブルー計画を策定して以来、ずっと調査を続けております。近年、海水温の上昇に伴いまして、植物プランクトン増殖の影響などもありまして、調査地点によりましては、CODが目標値をわずかに超える結果が見られるところであります。  桜島口を開削した場合には、海水交換は行われるものと考えられますけれども、具体的な水質改善効果については、データを持ち合わせておりませんのでお答えしがたいところであります。 61 ◯知事(三反園 訓君)今、部長も答弁したとおり、さまざまなメリットがあることは承知しております。また、きょう大先輩の山田議員から、夢を持てと、夢を持ってチャレンジするべきだということをいただきまして、本当にありがとうございました。勇気をもらった感じがいたしますので、チャレンジ、夢を持っていきたいと思います。ありがとうございます。    [山田国治君登壇] 62 ◯山田国治君 時間が参りましたので、これで私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 63 ◯議長(柴立鉄彦君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ───────────── 64    △ 議案第四八号─議案第五三号及び報告第二号      委員会付託 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、議案の委員会付託であります。  今回提出されました議案第四八号から議案第五三号まで及び報告第二号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第五四号から議案第五六号までは、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 65 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 66    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)七月七日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 67    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十七分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...